2013年に 『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話』 という本が出版され注目を集めました。
時が経ってもたびたび語られるビリギャル流勉強法ですが、少なくても英単語学習については、彼女が推奨する勉強法はおすすめできません。
ビリギャルとは?
ビリギャルのストーリー
「ビリギャル」という言葉は、『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話』がもとになっています。
この本の主人公であり、通称ビリギャルと呼ばれる学年ビリのギャルが、小林さやかさん。実在の人物です。
学年ビリのギャルがたった1年で慶応大学に現役合格できるの!?と(まあ本のタイトルそのままなんですが)話題になり、この本が有名になりました。
ビリギャルの真実
でもこの話実は裏があるんです。
小林さやかさんの通っていた学校は、愛知県の中高一貫私立高。
わたしは教育業界が長いのでこれは断言できるんですが、小林さやかさんが通っていた学校は、それなりの受験勉強をしないと入れない学校です。つまり学年ビリとはいっても、だれもが入れる学校のビリというわけではなく、優秀な集団の中でのビリだったということ。
また、幼少期に受験勉強をして私立中学に合格した経験があるということは、慶応大学を受験する素養があるがあるということもできます。
また、それに加え、小林さやかさんが豪額した慶応大学総合政策学部の受験科目は英語と小論文で受験できる学部ですので、東大のように複数科目勉強しないと合格できない大学を受けるのとはわけが違ってきます。
ビリギャル流勉強法は非効率
ニュースサイトを見ていたら、ビリギャルのモデルとなった小林さやかさんが教育実習でがんばっているというニュースを発見しました。
そのニュースの中で書かれていた内容が、次のような内容。
またビリギャルの本領を発揮する場面もあった。生徒から英語の勉強法を尋ねられると、当時使っていた辞書を広げて、「わからない単語を辞書で調べたとき、1回目は下線を引く。2回目は波線。3回目になったら、それは受験本番に出てくる可能性が高い単語ということだから、マーカーで塗って、別紙に書き出してトイレとかに貼っておくの。すると何度も視界に入ってくるから覚える」といったビリギャル流の勉強法を披露すると生徒たちからは感嘆の声が漏れた。
出典:ライブドアニュース
この方法、本当にオススメしません。
理由は紙の辞書で勉強すること自体が非効率だからです。
ではどうすればいいのか。3つのアプローチを案内します。
効率的な英単語の勉強法
教科書ガイドの利用
新出単語や熟語を辞書で調べるのってそれだけでもすごく時間がかかって、やる気なくなっちゃいますよね。しかも辞書をひくのにかけた時間なんてだれも評価してくれません。だからこそここはショートカットでいって、他の勉強にかける時間を確保しましょう。
各社が発行する教科書ガイドには、その教科書で使われている意味に近い意味が必ず載っています。また、おもいきったガイドだと、教科書で使われている意味しか載せていないなんていうものもあります。
たとえば次の画像は、教育出版の英語の教科書『NEW ONE WORLD』の教科書ガイドのレビューなんですが、「これあったら学校で無双出来るよ」とまで書かれています。
自分でゼロから意味を調べておぼえるより、教科書を知り尽くしているプロがつくった教材を使用するほうが、調べる時間を圧倒的に短縮できるし、そのぶんおぼえることに時間が使えるのでおすすめです。
単語帳の利用
教科書の範囲とは別に受験勉強をしないといけない場合は、手元に単語帳を1冊用意しましょう。そしてその1冊をしっかり勉強しましょう。
わからない単語が出てくるたびにいちいち辞書を引いて、それを別紙に書き出して、壁に貼ったりしているよりも、単語帳をおぼえてしまったほうが明らかに効率がいいです。
進学校だと指定の単語帳があったりもしますよね。
学生がよく失敗しがちなのが、単語帳を長い時間眺めていたり、スペルをひたすら書きまくることでわかった気になってしまっていること。おぼえたと思ったら自分でテストをする癖をつけましょう。また、おぼえたはずなのに忘れてしまうことは人間の脳のしくみとして必ず起きることなので、最初から完璧を目指すのではなく、単語帳を5~6周するぐらいの計画でいることは必要です。
仕事の関係上Yahoo知恵袋とかYouTubeとかで「単語帳は何冊やったらいい?」という質問をよく見かけますが、早慶上智・東大を目指す場合でなければ、受験用の英単語帳として評判がいいものを1冊やっておけば問題ありません。
関連記事:大学受験におすすめの英単語帳を次の記事でくわしく解説しています。
インターネット・電子辞書の利用
そもそもの話になりますが、紙の辞書でA, B, C, …って目的の単語を探すのって本当に時間がもったいない。編集者や翻訳者のようなプロだって、このネットが発達した現代で、意味を調べるために紙の辞書を使うことはほとんどありません。(紙の辞書にその単語は載っているのか、紙の辞書ではなんと解説されているのかを調べるために紙の辞書をひくことはあるけど。)
電子辞書を使いましょう。もし持ってないっていう学生さんはインターネット検索でもOK。ただし、インターネットだと不確かな情報も載っているので、電子辞書をおすすめします。
▼参考:電子辞書によっては、大学受験用や英検の単語帳を搭載しているものもあります。
シャープのPW-S1は高校生にイチオシ。もちろん大人になっても使い続けられます。
「紙の辞書を引いたほうが手も目も使うから刺激になって記憶に残るんだ」とか「紙の辞書をひいてその前後に載っている単語も覚えるほうが効果的だ」なんていうのは古い時代のひとの戯言なので、全力で右から左に聞き流しましょう。
まとめ
勉強を効率的に進めるためには、本当に信用できる勉強法を知ることが大事。
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