学生の勉強法

【大学入学共通テスト】リスニングに特化した対策をすると点数は伸びません

2020年1月に、1990年から長きに渡り実施されてきた「大学入試センター試験」が終了し、2021年1月からは「大学入学共通テスト」が実施されます。

2018年11月にはすでに2回目となる試行調査(プレテスト)が実施され、配点も公開されています。

編集の仕事の都合上、この試行調査(プレテスト)を、リーディング・リスニングとも徹底的に全力で分析しました。

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特にリスニングはこれでもかというほど分析したので、傾向と対策を具体的にお伝えします。

試行調査(プレテスト)とは

大学入試センターは発表した『「大学入学共通テスト」における問題作成の方向性等と本年11月に実施する試行調査(プレテスト)の趣旨について』では、試行調査(プレテスト)について次のように述べられています。

大学入試センター(以下「センター」という。)では、昨年7月に文部科学省が公表し
た「大学入学共通テスト実施方針」(以下「実施方針」という。)に基づき、「大学入学共通テスト」(以下「共通テスト」という。)の問題作成や実施に向けた検証を行っています。

(中略)

各教科・科目における問題のねらいや実施方法等(「大学入試センター試験
出題教科・科目の出題方法等」に相当するもの)については、これから11月に実施さ
れる試行調査の分析・検証を経て、来年度初頭に正式に公表される予定であり、最終的に
は来年度以降の情報を確認する必要があることにご留意ください。

つまり、試行調査(プレテスト)とは、「センター試験に代わるものを作ってみたけど、これで本当にいいのか実験させてね」という意味合いで実施されるテストのことを言います。

引用にもあるように、共通テストは試行調査(プレテスト)とまったく同じ形で出題されると約束されている訳ではありません。

共通テストの傾向

第2回目の試行調査と同形式で共通テストが実施された場合、共通テストの問題数や内容は以下のようになります。

概要

試験時間30分/配点100点(※1)

大問 小問 マーク数 内容 CFERレベル(※2) 読み上げ回数
1 A 4 短文の言い換え A1 2
B 3 英文法を正しく理解し、イラストを選ぶ A1-A2 2
2 4 状況を把握し、イラストを選ぶ A1-A2 2
3 4 短い対話を理解する A1-A2 2 1
4 A 8 話の順番どおりにイラストを並び替える/説明通りに表を完成させる A2-B1 1
B 1 複数人の会話を聞き、要点を理解する B1 1
5 9 社会問題に関する講義を聞き、要点を理解し、表を完成させる B1 1
6 A 2 社会問題に関する対話を聞き、要点を理解する B1 1
B 2 社会問題に関する講演内容を聞き、要点を理解する B1 1

※1 リーディング・リスニングとも、それぞれ100点

※2 CEFRレベル: A1=英検3級相当、 A2=英検準2級相当、 B1=英検2級相当

▼参考:第2回試行調査の問題や解答はここからダウンロード!!

センター試験との変更点

読み上げが1分間に120語→140語にアップ

読み上げ速度が少しだけ上がります。ただし、それでもネイティブレベルとかではなく、英語学習者がしっかり理解できる速さなので、これについてはそこまで心配しなくていいでしょう。

読み上げ1回のパターンも出題

センター試験ではすべての問題を2回読み上げてくれましたが、共通テストでは1回だけしか聞くチャンスがない問題が出てきます。

第2回試行調査時には、大問3の読み上げ回数は2回とされていましたが、2020年7月22日に独立行政法人大学入試センターの「受験案内」発表によると、大問3の読み上げは1回になるそうです。

▼参考:令和3年度大学入学共通テスト「受験案内」D リスニング

話者数が増加

センター試験では最大でも3人の会話でしたが、試行調査では4人が話すパターンが出題されました。←第4問Bで出題されました。

アメリカ英語だけでなくイギリス英語や非母国語話者の英語も混じる

アメリカ英語やイギリス英語などの、いかにも教科書に出てくるような聞きなれた英語だけではなく、たぶんアジア系(?)だと思われるようなちょっと癖のあるイントネーションの話者も出てきます。そんなに登場回数は多くないけど。

答えが1つとは限らない問題が出題

「~に当てはまるものをすべて選びなさい」系の問題もあります。

あと、表を完成させる問題では、「次の選択肢は何回使ってもかまいません」系の問題も用意されています。

共通テストの対策

まだまだ情報が少なく、過去問も出回っていないため対策に困る共通テストですが、試行調査を分析した結果からは次のようなことが断言できます。

英語を聞き取る訓練はするな

例えば大手予備校さんが出している「学習法アドバイス」なんかには、「共通テストではリスニングの配点が大きくなるため、毎日10分でもいいから英語を聞き、耳を鍛えていきましょう」的なことが書いてあります。

いかにもそれっぽいことが書いてありますが、これ本当に時間のムダだからやる必要なし!!!だったらその10分でひとつでも多く単語を覚えたり、間違えた文法の復習をして!!!

もちろん、音を意識しなくていいということではありません。では、どういうことかというと、それは次の項目で。

大切なのは音読

わざわざ「英語を聞く」訓練なんてまったくしなくていいけど、代わりにしてほしいことは、音読。例えば教科書を読むときは、教科書の音声と同じリズムや発音で読めるまで、何度も何度も読みましょう。

問題集やリーディング対策をしているときも同じで、絶対にキレイな発音で声に出してスラスラ読むこと。もし勉強している場所が自習室とかバス・電車の中だったら、本当に聞こえないぐらいの小さい声でつぶやくとか、頭の中で最大限に英語を読み上げるとか。

英語業界では誰もが知っている「自分が発音できない音は聞こえない」っていうルールがあるんだけど、まさにそれ!!逆に言うと、自分が読めるものは聞こえるんだから、読めるようになればよしってことです。リーディング対策もリスニング対策もできて、一石二鳥だよね?

イメージする力が本物のリスニング力になる

もうひとつ、読むときに大事なことは、ちゃんとイメージして頭の中に絵が浮かんでくるようにすること。

例えば、「りんご」。絵浮かびますよね?じゃあ”apple”は?

このときに”apple”が「アップル」って聞こえて満足してるひとが英語ができないひと。

“apple”って言われて

が浮かんできたひとが本当に英語ができるひと。

あなたはどっち?

共通テストでは、センター試験以上にイラストを使った問題が増えてるんだけど、これって別に「イラスト問題」でもなんでもなくて、「英語が聞こえたとき、ちゃんとその絵が浮かんできますか?」っていうことを問われているだけ。

だから特別なことはしなくていいから普段から頭の中で絵が浮かぶような勉強をしておきましょう。

聞き取るだけじゃなくて内容を理解しよう

さて、共通テストでちょっとだけ難易度が上がるのが、今までのセンター試験だったら、聞こえた内容そのまま選べばよかったのに、「聞いた内容を表にして完成させましょう」とか、「聞いて満足するんじゃなくて、結局何がいいたいのかを当てましょう」とかそんな問題をいっぱい解かないといけないといけないところだと思います。

でもね、これってリーディングでやってますよね?「第3パラグラフの内容として適切な問題を選びましょう」とか。なんなら国語でもやってるよね?「筆者の主張として正しいと思われるものを次の選択肢から選びなさい」とか。

しかもさー、国語の選択肢なんて似たり寄ったりで超ひっかけ問題なのに、英語は正答と誤答がハッキリしてるからめちゃめちゃわかりやすい。

だから結局、なにも特別な勉強はしなくても、いつもやっていることをリスニングでもやればいいだけ。なんならリスニングのほうが国語とかリーディングより内容易しいから、ほんとにお得な問題が詰め合わさっています。

「すべてを聞き取ろうとするのではなく、何を聞き取るべきなのか、聞き取るポイントを定めて聞く練習をしましょう」みたいな勉強法は推奨しません。

そんなもんしなくても、標準的な速さの英語が聞けて、その内容が理解できてたら、リスニングはがっぽがっぽ点数取れます。

逆に、変にテクニック的なことを駆使しようとすると、ひっかけ問題にまんまとひっかかります。問題作成者だってバカじゃないから、そういうの計算して問題つくってますよ?

集中力を鍛えよう

共通テストでは、1回しか音声が流れない問題があります。

でもこれもいたってふつうのことで、日常生活でいつも同じこと2回繰り替えてしゃべってるひとがいたら「えっ!?」ってなりますよね。

友達としゃべるにしても、授業を受けるにしても、ニュースを見るにしても、基本は1回しか言ってくれないんだから、ちゃんと1回で聞こうねっていうのが共通テスト(というか、世間一般の常識)です。

英語とか日本語とか関係なく、ちゃんと1回聞いて理解する癖をふだんから付けましょう。

先読みは有効

ただ、これから何の話するのかもわからないのに、「全部集中して聞け」って言われても、それはそれでしんどいのもわかります。

大人だって会議の前には資料を読んで、「あー、今日はこんな議題なんだなー。じゃあ、ここは特に注意して話聞いておいて、あとでちゃちゃっと資料まとめよう」とかやるわけです。

受験生も同じテクニック(?)は使ってOK。音声が流れてくる前に問題文に目を通して、どんな内容なのかを予測しておきましょう。効率は、学生でも、大人になっても大事。

文法は勉強しなくていいの?

文法はもちろんしっかり理解しましょう。

例えば、”She’s too busy to go to the lake and fish.”って言われたとき、「彼女は湖に行って魚釣りをすることにすごく忙しい」なのか「彼女は湖に行って魚釣りをすることができないほど忙しい」なのか、どう解釈するかで全然意味違っちゃいまよね?

これを解決するには<too~to・・・>っていう文法をわかっているかどうかが大事になってくるんだけど、リスニングで”She’s too busy to go to the lake and fish.”が流れてきた場合、「えっとえっと、<too~to・・・>って不定詞のとこで勉強したよね。えっとなんだっけ。tooはたしか「~過ぎる」って意味だから」とか考える時間を、リスニングは与えてくれません。

聞いた瞬間(もしくは読んだ瞬間)に理解できるだけの文法力をつけておきましょう。

“She’s too busy to go to the lake and fish.”は、共通テスト第1問Bの問2の問題です。

リスニングの勉強法

残酷なことを言います。

リスニングは付け焼刃的な勉強では永遠にできるようになりません。

かと言って、毎日コツコツ10分の聞き流しとかそんなのまったくする必要なくて、大切なのは正しい方法で復習すること。

詳しいことは「【現役編集者が解説】リスニング力が劇的に伸びる!教材の効果的な使い方」という記事で解説してるので、ぜひ1回目を通してください。

人生が変わります。本当に。

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まとめ

共通テストになってリスニングの配点が増えるからといって特別な勉強をする必要はありません。

当たり前の勉強を当たり前にやっていくことが十分な試験対策です。(今まで間違えた認識をしていた受験生や教師・講師のみなさんは今すぐ方針の見直しを!!)

共通テストのリスニング対策
  • 見本と同じリズム・速さで音読しよう
  • イメージして整理しよう
  • 先読みして1回で聞き取ろう
  • 文法は瞬時に理解できるレベルで
  • 問題を解いたら必ず正しい方法で復習