【大学入学共通テスト】リスニングに特化した対策をすると点数は伸びません

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センター試験が共通テストに変わり、英語は2021年1月16日(土)にはじめての共通テストが実施されました。

各出版社から対策教材は出されているものの、結局有効な対策方法ってなんなの?と戸惑っているみなさんに、英語教材編集者兼プロ家庭教師として、私見をお伝えします。

目次

共通テストの傾向

概要

試験時間60分(うち解答時間30分)/配点100点(※1)

大問 小問 マーク数 内容 CFERレベル(※2) 読み上げ回数
1 A 4 短文の言い換え A1 2
B 3 英文法を正しく理解し、イラストを選ぶ A1-A2 2
2 4 状況を把握し、イラストを選ぶ A1-A2 2
3 6 短い対話を理解する A1-A2 1
4 A 8 話の順番どおりにイラストを並び替える/説明通りに表を完成させる A2-B1 1
B 1 複数人の会話を聞き、要点を理解する B1 1
5 7 社会問題に関する講義を聞き、要点を理解し、表を完成させる B1 1
6 A 2 社会問題に関する対話を聞き、要点を理解する B1 1
B 2 社会問題に関する講演内容を聞き、要点を理解する B1 1

※1 リーディング・リスニングとも、それぞれ100点。

※2 CEFRレベル: 平成29年度試行調査_問題、正解表、解答用紙等の「問題のねらい、主に問いたい資質・能力及び小問正答率等」による。A1=英検3級相当、 A2=英検準2級相当、 B1=英検2級相当。

センター試験との変更点

読み上げスピードが速くなる

センター試験の読み上げスピードは平均127.9語/分でしたが、2021年の共通テストでは132.5語/分とスピードが上がりました。

ただし、感覚的にはネイティブレベルとかではなく、英語学習者がしっかり理解できる速さなので、これについてはそこまで心配しなくていいでしょう。

全体の読み上げ量が増加

スクリプトの語数が1,141単語から1,543単語と35%増量。

長い時間英語を聞くのに慣れている受験生にとっては負担ではないと思いますが、嫌々リスニングに取り組んできた受験生にとってはちょっとキツイかも・・・。

話者数が増加

センター試験では最大でも3人の会話でしたが、共通テストでは4人が話すパターンが出題されます。

男性2人、女性2人の構成になることがあるので、単に男性が話しているか、女性が話しているのかを声の高さで聞き分けるというテクニックは通用せず、だれがどんな意見を言っているのかをしっかりと理解する必要が出てきます。

アメリカ英語だけでなくイギリス英語や非母国語話者の英語も混じる

アメリカ英語やイギリス英語などの、いかにも教科書に出てくるような聞きなれた英語だけではなく、たぶんアジア系(?)だと思われるようなちょっと癖のあるイントネーションの話者も出てきます。そんなに登場回数は多くないけど。

読み上げ1回のパターンも出題

センター試験ではすべての問題を2回読み上げてくれましたが、共通テストでは1回だけしか聞くチャンスがない問題が出てきます。

イラスト・表・グラフが増加

イラスト・グラフ・表の数が、センター試験では9個だったものが、共通テストでは34個になりました。なんと3.78倍!

単純に単語だけ、もしくは英文の一部分だけを聞き取れれば正解だった時代は終わり、聞き取った英語がイラストや表、グラフと合っているのかを判断する力が求められるようになっています。

答えが1つとは限らない問題が出題

「~に当てはまるものをすべて選びなさい」系の問題もあります。

あと、表を完成させる問題では、「次の選択肢は何回使ってもかまいません」系の問題も用意されています。

▼参考:共通テストリーディングの傾向と対策についても記事にしています。

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共通テストの対策

まだまだ情報が少ないため対策に困る共通テストですが、試行調査や2021年本試験を分析した結果からは次のようなことが断言できます。

英語を聞き取る訓練はするな

例えば大手予備校さんが出している「学習法アドバイス」なんかには、「共通テストではリスニングの配点が大きくなるため、毎日10分でもいいから英語を聞き、耳を鍛えていきましょう」的なことが書いてあります。

いかにもそれっぽいことが書いてありますが、これ本当に時間のムダだからやる必要なし!!!だったらその10分でひとつでも多く単語を覚えたり、間違えた文法の復習をして!!!

もちろん、音を意識しなくていいということではありません。では、どういうことかというと、それは次の項目で。

大切なのは音読

わざわざ「英語を聞く」訓練なんてまったくしなくていいけど、代わりにしてほしいことは、音読。例えば教科書を読むときは、教科書の音声と同じリズムや発音で読めるまで、何度も何度も読みましょう。

問題集やリーディング対策をしているときも同じで、絶対にキレイな発音で声に出してスラスラ読むこと。もし勉強している場所が自習室とかバス・電車の中だったら、本当に聞こえないぐらいの小さい声でつぶやくとか、頭の中で最大限に英語を読み上げるとか。

英語業界では誰もが知っている「自分が発音できない音は聞こえない」っていうルールがあるんだけど、まさにそれ!!逆に言うと、自分が読めるものは聞こえるんだから、読めるようになればよしってことです。リーディング対策もリスニング対策もできて、一石二鳥だよね?

イメージする力が本物のリスニング力になる

もうひとつ、読むときに大事なことは、ちゃんとイメージして頭の中に絵が浮かんでくるようにすること。

例えば、「りんご」。絵浮かびますよね?じゃあ”apple”は?

このときに”apple”が「アップル」って聞こえて満足してるひとが英語ができないひと。

“apple”って言われて

が浮かんできたひとが本当に英語ができるひと。

あなたはどっち?

共通テストでは、センター試験以上にイラストやグラフを使った問題が増えてるんだけど、これって別に「イラスト問題」「グラフ問題」でもなんでもなくて、「英語が聞こえたとき、ちゃんとその絵が浮かんできますか?」っていうことを問われているだけ。

だから特別なことはしなくていいから普段から頭の中で絵が浮かぶような勉強をしておきましょう。

聞き取るだけじゃなくて内容を理解しよう

さて、共通テストでちょっとだけ難易度が上がるのが、今までのセンター試験だったら、聞こえた内容そのまま選べばよかったのに、「聞いた内容を表にして完成させましょう」とか、「聞いて満足するんじゃなくて、結局何がいいたいのかを当てましょう」とかそんな問題をいっぱい解かないといけないといけないところだと思います。

でもね、これってリーディングでやってますよね?「第3パラグラフの内容として適切な問題を選びましょう」とか。なんなら国語でもやってるよね?「筆者の主張として正しいと思われるものを次の選択肢から選びなさい」とか。

しかもさー、国語の選択肢なんて似たり寄ったりで超ひっかけ問題なのに、英語は正答と誤答がハッキリしてるからめちゃめちゃわかりやすい。

だから結局、なにも特別な勉強はしなくても、いつもやっていることをリスニングでもやればいいだけ。なんならリスニングのほうが国語とかリーディングより内容易しいから、ほんとにお得な問題が詰め合わさっています。

「すべてを聞き取ろうとするのではなく、何を聞き取るべきなのか、聞き取るポイントを定めて聞く練習をしましょう」みたいな勉強法は推奨しません。

そんなもんしなくても、標準的な速さの英語が聞けて、その内容が理解できてたら、リスニングはがっぽがっぽ点数取れます。

逆に、変にテクニック的なことを駆使しようとすると、ひっかけ問題にまんまとひっかかります。問題作成者だってバカじゃないから、そういうの計算して問題つくってますよ?

集中力を鍛えよう

共通テストでは、1回しか音声が流れない問題があります。

でもこれもいたってふつうのことで、日常生活でいつも同じこと2回繰り替えてしゃべってるひとがいたら「えっ!?」ってなりますよね。

友達としゃべるにしても、授業を受けるにしても、ニュースを見るにしても、基本は1回しか言ってくれないんだから、ちゃんと1回で聞こうねっていうのが共通テスト(というか、世間一般の常識)です。

英語とか日本語とか関係なく、ちゃんと1回聞いて理解する癖をふだんから付けましょう。

先読みは有効

ただ、これから何の話するのかもわからないのに、「全部集中して聞け」って言われても、それはそれでしんどいのもわかります。

大人だって会議の前には資料を読んで、「あー、今日はこんな議題なんだなー。じゃあ、ここは特に注意して話聞いておいて、あとでちゃちゃっと資料まとめよう」とかやるわけです。

受験生も同じテクニック(?)は使ってOK。音声が流れてくる前に問題文に目を通して、どんな内容なのかを予測しておきましょう。効率は、学生でも、大人になっても大事。

文法は勉強しなくていいの?

文法はもちろんしっかり理解しましょう。

例えば、”She’s too busy to go to the lake and fish.”って言われたとき、「彼女は湖に行って魚釣りをすることにすごく忙しい」なのか「彼女は湖に行って魚釣りをすることができないほど忙しい」なのか、どう解釈するかで全然意味違っちゃいまよね?

これを解決するには<too~to・・・>っていう文法をわかっているかどうかが大事になってくるんだけど、リスニングで”She’s too busy to go to the lake and fish.”が流れてきた場合、「えっとえっと、<too~to・・・>って不定詞のとこで勉強したよね。えっとなんだっけ。tooはたしか「~過ぎる」って意味だから」とか考える時間を、リスニングは与えてくれません。

“She’s too busy to go to the lake and fish.”は、共通テスト試行調査第1問Bの問2の問題です。

聞いた瞬間(もしくは読んだ瞬間)に理解できるだけの文法力をつけておきましょう。

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リスニングの勉強法

残酷なことを言います。

リスニングは付け焼刃的な勉強では永遠にできるようになりません。

かと言って、毎日コツコツ10分の聞き流しとかそんなのまったくする必要なくて、大切なのは正しい方法で復習すること。

詳しいことは「【現役編集者が解説】リスニング力が劇的に伸びる!教材の使い方【TOEIC・共通テスト対策にも】」という記事で解説してるので、ぜひ1回目を通してください。

人生が変わります。本当に。

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まとめ

共通テストになってリスニングの配点が増えるからといって特別な勉強をする必要はありません。

当たり前の勉強を当たり前にやっていくことが十分な試験対策です。(今まで間違えた認識をしていた受験生や教師・講師のみなさんは今すぐ方針の見直しを!!)

共通テストのリスニング対策
  • 見本と同じリズム・速さで音読しよう
  • イメージして整理しよう
  • 先読みして1回で聞き取ろう
  • 文法は瞬時に理解できるレベルで
  • 問題を解いたら必ず正しい方法で復習

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