【教材編集者解説】リスニング高得点のための文法ポイント【TOEIC・英検・共通テスト】

リスニング問題を作るとき、制作側としては、受験者が勘違いしやすい文法をあえて使って得点に差がつくようにしていきます。

”ひっかけ”として使われやすい文法項目を意識できていますか?

以下に詳しく説明していきたいと思います。

目次

現在完了

He has gone to Paris.

現在完了が使われてリスニングの問題が作られているときに、受験生が意識しないといけないのは、「それってつまりどういうこと?」ということ。

たとえば、He has gone to Paris. という英語を聞いたときは、彼は今どこにいるのかをイメージできる必要があります。「彼はパリに行ってしまった」んだから、He has gone to Paris. は次のように言い換えることができますよね。

こんなふうな選択肢が用意されます

  • He flew to Paris.(彼はパリに飛行機で行きました)
  • He stays in Paris. (彼は今パリに滞在しています)
  • He is not in Japan now.(彼は今日本にいません)

今は解説の必要上日本語訳をしてしまったけど、日本語を介さずにイメージを浮かぶようにしておくのが、リスニング力向上のポイント!

進行形

The signboard is now being repaired.
The woman is getting ready for work.

進行形の場合、意識すべきなのは、「まさに今最中だよ」「まだ途中だよ」ということです。

たとえば、The signboard is now being repaired.は「その看板は今修理されているところです」ということで、違う言い方をするならば、まだ修理されきってはいないということ。

こんなふうな選択肢が用意されます

  • The signboard has been repaired. (その看板はもう修理されました)

また、The woman is getting ready for work.なら「その女性は仕事の準備中だ」ということで、たぶんスーツに着替えたり、髪を整えたりしているのかな?まだバシッとした恰好にはなっていないことを表します。

こんなふうな選択肢が用意されます

  • The woman has left for work. (彼女はもう仕事をしに出かけました)

仮定法

If I had got up five minutes earlier, I wouldn’t have missed the train.

仮定法で大事なポイントは、「仮定の話はいいとして、実際はどうなったの?」ということ。上の例だと、電車に乗れたのか乗れなかったのかということが問われます。

If I had got up five minutes earlier, I wouldn’t have missed the train.は「あと5分早く起きていたならば、電車に遅れなかっただろうに」ということなので、電車には乗れなかったんですが、これを日本語を介さずして、寝坊して電車に乗り遅れたイメージができることこそが、真のリスニング力といえるでしょう。

こんなふうな選択肢が用意されます

  • I woke up early enough to catch the train. (早く起きたので電車に乗ることができました)

比較

My brother is three years older than me.

「わたしの兄はわたしより3歳年上です」という意味です。

文字で示すとわかりやすいけど、リスニングになったときに聞き逃しがちなのがthree yearsっていう数字のところ。だからこそ、問題制作者は、比較したときの数字を問題にしてきます。

比べる話題になったときには、数字を意識するようにしよう。

ちなみに、My brother is older than me by three years.というように、by ~を使って差を表すことができるから、あわせてチェックしておくべし。

こんなふうな選択肢が用意されます

  • I am 18 years old. My brother is 20 years old.(私は18歳です。私の兄は20歳です)

不定詞

She is too busy to go fishing.

「彼女は釣りをするのに忙しい」のか、「彼女は忙しすぎて釣りに行けない」なのか・・・。

正解は「彼女は忙しすぎて釣りに行けない」のほうなんですが、これも「too ~ to …は『…過ぎて~できない』っていう意味だからぁ~」とか考えてたら、リスニング的には明らかに手遅れです。

英語が聞こえた瞬間にイメージして、英文そのものがもつ意味を正確にとらえられるようにしておきましょう。

こんなふうな選択肢が用意されます

  • She sometimes goes fishing to refresh herself.(彼女はときどき息抜きのために釣りに行きます)

関係代名詞

Lucy asked her mother to buy a novel written by Keigo Higashino, which her friend recommended.

苦手なひとが多い関係代名詞。リーディングのときには万が一意味がとれなかったらゆっくり読んで構文解析すればいいけど、リスニング音声はあなたのことを待ってくれません。

たとえば、上の問題では、「小説をすすめてきたのはだれか」という問いが出されるかもしれません。そのときに、a novelと関係代名詞以下(which her friend recommended)の関係性が正しく理解できていないと途端にパニックを起こすかも。「あれ、her motherって言ってたよね?でも東野圭吾も出てきたし・・・。あれ?あれあれ???」みたいに。

だから、ちょっと複雑っぽい文法を、「使い方を知ってるからよし」ではなく、「完全に使いこなせる」レベルまで仕上げておきましょう。

ちなみにこの文は「Lucyは東野圭吾によって書かれた小説を買ってもらうように母親に頼んだ。なぜなら、友達がすすめてきたから」という意味なので、小説をすすめてきたのは「友人」が正解です。

こんなふうな問題が用意されます

Q. Who said the novel is worth reading?

(a) Lucy  (b) Lucy’s mother  (c) Higashino Keigo  (d) Lucy’s friend

A. (d) Lucy’s friend

まとめ

使えこなせてこそ、文法を勉強した意味がある。

リスニング問題の文法

  • 現在完了:今どうなっているのか?
  • 進行形:まだ途中
  • 仮定法:実際はどうなの?
  • 比較:数字に注意
  • 不定詞:too ~ to …の瞬間和訳
  • 関係代名詞:関係性をぐっとつかむ

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