「聞こえないんじゃない!最初から言ってないんだ!」というCMを知ってしますか?
そうなんだよー!!!ちゃんと言ってないんだよーーー!!!日本語の「というか・・・」が「てゆーかー・・・」となるのと同じ理論ですね。
その理論を1回整理しておきましょう。
一覧表の見方
もとの英語
[発音記号]
「カタカナで表した発音」
解説解説解説
I’m gonna explain how to read this article.
この記事の見方について解説するよ。
gonna
going to
[gɔ́nə]
「ゴーイング トゥ→ゴナ」
gonnaの音声変化は次の記事でくわしく解説しています。
wanna
want to / want a
[wɑ́nə]
「ワントゥ / ワントゥ ア→ワナ」
wannaの音声変化は次の記事でくわしく解説しています。
gotta
have got to / have got a
[gɔ́tə]
「ハヴ ゴットゥ トゥ / ハヴ ゴットゥ ア→ガタ、ガラ」
gottaの音声変化は次の記事でくわしく解説しています。
hafta
have to
[hǽftə]
「ハフ トゥ→ハフタ」
hafta[ハフタ]は、have toの音声変化です。
have toは単語ひとつひとつをしっかり読むと[ハフ トゥ]ですが、toの音が弱くなり、[トゥ]ではなく弱めの[タ]と発音されます。
I hafta pull an all-nighter tonight.
今夜は徹夜しなければならない。
shoulda
should have
[ʃúd(h)ə(v)]
「シュド ハヴ→シュダ」
shoulda[シュダ]は、should haveの音声変化です。
should have(シュドゥハヴ)って発音するの、どう考えてもめんどくさいですよね。
そこでshould have[シュドゥ ハヴ]→should’ave[シュドァヴ]になり、さらに最後のve[ヴ]の音が抜け落ちてshouldaになったと考えられます。
I shoulda known it earlier.
もっと早く知っとけばよかった。
coulda
could have
[kúd(h)ə(v)]
「クドゥ ハヴ→クダ」
coulda[クダ]は、could haveの音声変化です。
これもshould haveと同じ理屈で、could have[クドゥ ハヴ]→could’ave[クドァヴ]になり、さらに最後のve[ヴ]の音が抜け落ちてcouldaになったと考えられます。
We coulda done better.
もうちょっとうまくやれたはずだ。
woulda
would have
[wúd(h)ə(v)]
「ゥドゥ ハヴ→ゥダ」
would have[ゥダ]は、would haveの音声変化です。
これも、shouldaやcouldaと同じで、would have[ゥドゥ ハヴ]→would’ave[ゥドァヴ]になり、さらに最後のve[ヴ]の音が抜け落ちてwouldaになったと考えられます。
I woulda said goodbye to her.
オレだったら彼女と別れたけどね。
oughta
ought to
[ɔt(t)ə]
「オトゥ トゥ→オタ」
ought to[オータ]は、ought toの音声変化です。
ought toは1つ1つの単語をしっかり発音すると[オトゥ トゥ]ですが、文の中ではoughtの”t”が”to”にかき消されて、ough(t) to[オー(トゥ) トゥ]のようになり、最終的に[オータ]になったと考えられます。
We oughta keep an eye on him.
彼から目を離さない方がいい。
needa
need to
[níːd(t)ə]
「ニードゥ トゥ→ニーダ」
need to[ニード]は、need toの音声変化です。
need toは1つ1つの単語をしっかり発音すると[ニードゥ トゥ]ですが、toが弱くなって「タ」と発音されて、さらにtoの”t”音がうち消され、need to[ニードゥ タ]→need (t)o[ニードゥ ア]→needa[ニーダ]になったと考えられます。
I needa hit the gym and do cardio.
ジムに行って有酸素運動しなきゃ。
ジムに行くことを、hit the gymといいます。また、有酸素運動をするはdo cardioと表現できます。
kinda
kind of
[káində(v)]
「カインドゥ オヴ→カインダ」
kinda[カインダ]は、kind ofの音声変化です。
kind ofは1つ1つの単語をしっかり発音すると[カインドゥ オヴ]ですが、”of”が弱く発音されて、kind o(f)[カインドゥ ァ(ヴ)]→kinda[カインダ]になったと考えられます。
kind ofは「ちょっと」とか「まあ」とか「なんていうか」という意味を表すイディオムです。
Are you busy now? – Kinda.
今忙しい? ― なんていうか、まあ。
sorta
sort of
[sɔrtə(v)]
「ソートゥ オヴ→ソータ」
sorta[ソータ]は、sort ofの音声変化です。
sort ofは、1つ1つの単語をしっかり発音すると「ソートゥ オヴ」ですが、”of”が弱く発音されて、sort o(f)[ソートゥ ァ(ヴ)]→sorta[ソータ]になったと考えられます。
sort ofは、kind ofと同じく、「ちょっと」とか「まあ」とか「なんていうか」という意味を表すイディオムです。
I sorta like him.
わたしなんていうかちょっと彼のこと好きなんだよね。
outta
out of
[áutə(v)]
「アウトゥ オヴ→アウタ」
outta[アウタ]は、out ofの音声変化です。
out ofは、1つ1つの単語をしっかり発音すると[アウトゥ オヴ]ですが、”of”が弱く発音されて、out o(f)[アウトゥ ァ(ヴ)]→outta[アウタ]になったと考えられます。
I’m outta here.
帰ります。
lotta
lot of
[lɑ́tə(v)]
「ロットゥ オヴ→ロタ」
lotta[ロッタ]は、lot ofの音声変化です。
lot ofは、1つ1つの単語をしっかり発音すると[ロットゥ オヴ]ですが、”a”や”of”が弱く発音されて、lot o(f)[ロトゥ ァ(ヴ)]→lotta[ロタ]になったと考えられます。
There are a lotta things going on.
いろんなことが起こってる。
lemme
let me
[lé(t)mi(ː)]
「レットゥ ミィ→レッミ」
lemme[レッミ]は、let meの音声変化です。
let meは、1つ1つの単語をしっかり発音すると[レットゥ ミィ]ですが、”t”音うち消されて、le(t) me[レッ(トゥ) ミィ]→[レッミ]になったと考えられます。
Lemme get the door.
玄関出るね。
gimme
give me
[gí(v)mi(ː)]
「ギヴ ミィ→ギミ」
gimme[ギミ]は、give meの音声変化です。
give meは、1つ1つの単語をしっかり発音すると[ギヴ ミィ]ですが、”v”音がうち消されて、gi(ve) me[ギ(ヴ) ミィ]→gimme[ギミ]になったと考えられます。
Gimme a break.
かんべんしてよ。
gotcha
got you
[gɑt(tʃ)jə]
「ガットゥ ユー→ガチャ」
gotcha[ガチャ]は、got youの音声変化です。
“y”音は、緊張した[ィ]の音なんですが、前の子音とつながります。got youの場合は、got you[ガットゥ ィヤ]→[ガッチャ]に変化。
Got you. は、「わかった」「了解」のほか、だれかを捕まえたときの「捕まえたぜ」やいたずらやドッキリが成功したときの「やったぜ」という意味もあります。
Can you wake me up at seven? – Yeah, seven o’clock. Gotcha.
7時に起こしてくれる? ― うん、7時ね、わかった。
watcha
what are you
[hwʌ́t(tʃ)jə]
「ワットゥ ア ユー→ワッチャ」
Watcha[ワッチャ]は、What are youの音声変化です。
前半のWhat areの部分は、What are[ワットゥ アー]→「ワッタ」。これにyouが付くと、”y”音は前の子音とつながって、What are you[ワッタ ィヤ]→[ワッチャ]のように聞こえます。
冒頭に出てきたgonnaと組み合わせ使うと、Watcha gonna do?(=What are you going to do?)のように使えたりもします。
Watcha doing?
なにやってんの?
betcha
bet you
[bét(tʃ)jə]
「ベットゥ ユー→ベッチャ」
betcha[ベッチャ]は、bet youの音声変化です。
betにyouが付くと、”y”音は前の子音とつながって、bet you[ベットゥ ィヤ]→[ベッチャ]のように聞こえます。
betには「賭ける」という意味があるので、I bet ~. は「賭けてもいい」「絶対に~だから」「間違いないから」というニュアンスを含みます。
I betcha this movie is better than you expect.
この映画思ってるより絶対いいよ。
dunno
don’t know
[dən(t)(n)óu]
「ドゥンットゥ ノウ→ドゥノウ」
dunno[ドゥノゥ]は、don’t knowの音声変化です。
don’t knowは、1つ1つの単語をしっかり発音すると[ドゥンットゥ ノウ]ですが、”t”音うち消されて、don(t) know[ドゥン(トゥ) ノウ]→[ドゥンノウ]。さらに[ン]の音や[ノ]の音がつながって、[ドゥ(ン)ノウ]→[ドゥノウ]になったと考えられます。
Where is my pen? – Dunno.
ペンどこにあるかわかる? ― 知らない。
cuz / cos
because
[(bi)kəz]
「ビカズ→カズ」
cuz[カズ]は、becauseの最初の[ビ]の音が消えて、音声変化したものです。
(Be)cause[(ビ)カズ]→[カズ]。
表記するときは、アメリカ英語ではcuz、イギリス英語ではcosが使われることが多いようです。
You are always so sweet. – Cuz I love you.
いつもやさしいよね。- 君のこと好きだからね。
短縮した形を使うときの注意点
短縮した発音は、基本的に話し言葉で使われます。
書き言葉として目にする機会は、話し言葉をあえて文字に起こしたコンテンツに限られるでしょう。映画とか歌詞とか小説、あとはチャットとか。
短縮した発音というのは、あえて悪い言い方をすると、「手を抜いた気楽なしゃべり方」だから、ビジネスなどのフォーマルなシーンでは好まれないことのほうが多いです。ネイティブの感覚がつかめていれば別ですが、そうでない場合は、友達や家族、仲の良い同僚と話すときだけ使うように気をつけましょう。
あと、カジュアルなシーンで使う分には、アメリカでは嫌がられませんが、イギリスだと嫌がられるとかなんとか・・・。
まとめ
今回の記事でまとめた内容は、「ネイティブの英語」として英会話スクールなんかでよく取り扱われます。
だから「英会話で使ったらカッコいい表現」としてとらえている日本人が多いんですが、この発音ができないとダサいということはまっくないので心配しなくて大丈夫です。
むしろ「ネイティブがよく使う音だからこそリスニングで役立つ」とおぼえておいてもらえるとうれしいです。
知っておきたい音の変化
- gonna[ゴナ]=going to
- wanna[ワナ]=want to / want a
- gotta[ガラ / ゴタ]=have got to / got a
- hafta[ハフタ]=have to
- shoulda[シュダ]=should have
- coulda[クダ]=could have
- woulda[ゥダ]=would have
- oughta[オータ]=ought to
- needa[ニーダ]=need to
- kinda[カインダ]=kind of
- sorta[ソータ]=sort of
- outta[アウタ]=out of
- lotta[ロッタ]=lot of
- lemme[レッミ]=let me
- gimme[ギミ]=give me
- gotcha[ガチャ]=got you
- watcha[ワッチャ]=what are you
- betcha[ベッチャ]=bet you
- dunno[ドゥノ]=don’t know
- cuz[カズ]=because
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