We will be stopping at ~はなぜ進行形?文法を解説!【電車のアナウンス】

電車に乗っていると、車内の案内装置にWe will be stopping at Tokyo Station. (まもなく東京駅に停まります)のように出てくることがありますよね。

なぜWe will stop ~. ではいけないのか?We are stopping ~. でもいいんじゃないの? と疑問に思いませんか?

文法的に丁寧に解説していきます。

目次

文法解説

We will stop at Tokyo.

We will stop at Tokyo. だと「わたしたちは(将来)東京駅に停まります」という意味になります。

willは予測を表す助動詞で、「~だろう」という意味です。ただし、実際は「~だろう」という言葉じりほどあやふやなものではなく、未来を鮮明に見通す感覚を伴っています。

ただ、We will stop at Tokyo. という文の場合、将来そうなると言っているだけなので、すぐなのか、遠い未来あとなのかはわかりません。電車が遠い未来に停まることを案内するのはおかしいので、この表現はおかしいんですね。

ちなみに、We will stop at Tokyo in a few minutes.(わたしたちはあと数分で東京駅に停まります)だったら成立します。

よく聞くWe will soon make a brief stop at Tokyo.(間もなく東京駅に短時間停車します)も文法的には成立していますね。

関連記事:willのもつニュアンスについて解説しています。

We are stopping at Tokyo.

We are stopping at Tokyo. だと「わたしたちは東京駅に停まるところです、停まる体制に入っています」という意味を表します。

『現代英文法講義』によると、まず、動詞には、大きく分けて状態的動詞と非状態的動詞があり、非状態動詞は完結的動詞と非完結的動詞に分けられます。さらに、完結的動詞は瞬時的動詞と非瞬時的動詞に分けられます。

そして、同書には、瞬時的動詞の例として jump、非瞬時的動詞の例として stop の例文が上げられています。

He was jumping for joy. (彼は喜んで(何度も)はね回っていた)[瞬時的]
The bus is stopping. (バスは止まりかけている)[非瞬時的]

引用:『現代英文法講義』

非瞬時的動詞の stop は進行形になったとき、「~しかけている」という意味になる、ということです。

We are stopping at Tokyo. は停車案内としてはなくはないような気がしますが、もう停まる体制に入っているのに案内するのはちょっと遅いということでギリギリアウトでしょうか。

また、「東京駅到着前に、名古屋駅、新横浜駅、品川駅に停まります」と言いたいときに、We are stopping at Nagoya, Shin-Yokohama, and Shinagawa before arriving at Tokyo.って言っちゃうと、「東京駅到着前に、名古屋駅、新横浜駅、品川駅に停まるところです」っていう意味がわからない文になっちゃうんですよね。

だからやっぱりWe are stopping at Tokyo. という表現は使えなくなっちゃいます。

We will be stopping at Tokyo.

上のWe are stopping at Tokyo. を未来を表す表現にしたのがこの形です。

形の上では未来進行形になりますが、ここに進行の意味はありません。これについて『現代英文法講義』では、次のように解説されています。

個人の意思とは無関係に、自然の成り行きで(as a matter of course)出来事が起こるという意味を表す。この場合は、進行相の含意はない。ひと口で言えば、<予定>を表すとしてもよい。

引用:『現代英文法講義』

個人の意思とも関係ないんですね。そりゃーそうか。公共交通機関だし。そして、自然の成り行きを表しているとのことです。

「予測を表すwill」や「予定の進行形」と比べて、一見複雑そうなwill be -ingが、実は最もシンプルな未来表現ともいえるんですね。

ちなみに、『一億人の英文法』によると、この形は、丁寧な響きを表す特徴もあるそうです。同書には次のような例文が載っています。

d) Are you going on a trip this summer?
(今年の夏旅行に出かける予定ですか?)

e) Are you going to go on a trip this summer?
(今年の夏旅行に出かけるつもりですか?)

f) Will you be going on a trip this summer?
(今年の夏旅行にお出かけになりますか?)

引用:『一億人の英文法』

丁寧さを表すwill be -ingは、公共交通機関の案内に向いているといえそうです。

関連記事:『一億人の英文法』を紹介しています。

世界でもWe will be stopping at ~ は使わるのか?

We will be stopping at ~. という表現を使っている国もあるんでしょうか?

わたしはオーストラリアとカナダに住んで、アメリカやイギリスにも旅行に行ったことがあるんですが、これとまったく同じ表現は日本でしか聞いたことがない気がします。

では、次の駅を案内するときに世界ではなんというのか?

おそらくメジャーなのは、We are now approaching ~.(~に近づいています)とか、We will shortly be arriving at ~.(まもなく~に到着します)とか。

あとは、次の駅やバス停に近づいてきたときに、The next stop[station] is ~. (次の駅は~です)もよく聞く気がします。

まとめ

日常生活でちょっと耳に入ってきたり、ふっと目に入ってきた英語を気に留めてみると、意外と奥深い英語の世界が広がるかも。

We will be stopping at ~.

  • 個人の意思とは無関係に、自然の成り行きで出来事が起こることを表す
  • 丁寧さを相手に印象づけている

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