比較を勉強すると、発展的な表現として習う、no more than / not more than / no less than / not less than。
ただでさえ似ていて使い分けもよくわからないのに、言い換えとかもおぼえないといけなかったりして、日本人の英語学習者が苦手な項目であることは間違えありません。
でも、イメージやニュアンスがつかめればもう一生苦労しないこと間違いなし!この記事では図解付きでno more than / not more than / no less than / not less thanをわかりやすく解説していきます。
no more than
no more thanの意味
~にすぎない・~しか
no more thanの覚え方
no more thanを理解するのに大事なのはnoのニュアンスを理解すること。
noはnotと異なり、「まったくない」「ゼロだ」と、感情を伴う強い否定を表します。そしてこれにより、no more thanのnoはmoreを否定して、「それ以上のものではなったくない」→「~にすぎない」「~しか」という意味になります。
たとえば、There were no more than 100 people at the party. の場合を考えてみましょう。
noが入らないで、There were more than 100 people at the party. だったら、その意味は「そのパーティには100人以上の人がいました」で、図で表すと次のようになります。(●が100人を表しています。)
しかし、ここにnoが入ることで、「100人以上もいたわけない」→「たった100人しかいなかった」となります。ポイントはもともとの期待値「100人以上」が否定されていること。強い否定を表すnoのニュアンスがつかめていることがとても大切です。
no more thanの言い換え
ここまで解説してきたように、no more thanは強い否定を伴って「~にすぎない」「~しか」を表します。「~にすぎない」「~しか」といえば、日本人にもなじみのある表現はonlyですよね。
これを使ってno more thanの文を言い換えてみましょう。
There were only 100 people at the party.
そのパーティには100人しかいませんでした。
not more than
not more thanの意味
~以下・多くても
not more thanの覚え方
no more thanのnoが強い否定を表していたのに対して、not more thanのnotは感情を伴わない単純な否定になります。
A is more than B. だったら「A≧B」ですよね。notが入るとこれがひっくり返って「A≦B」となります。(数学的には「≧」の逆は「⋖」なんですが、ここではいったん無視しましょう。)
たとえば、There were more than 100 people at the party. は「そのパーティには100人以上の人がいました」ですが、There were not more than 100 people at the party. だと、「そのパーティには100人以上の人はいませんでした(=100人以下の人がいました)」となります。この文には、感情的な強い否定はなく、あくまでもニュートラルな表現です。
not more thanの言い換え
not more thanを使うと、There were not more than 100 people at the party. は「そのパーティには100人以上の人はいませんでした(=100人以下の人がいました)」となることを確認しました。これは「そのパーティにいたのは多くてもせいぜい100人だった」と同意義ですよね?
したがって、これを言い換えると次のようになります。at mostで「多くても~」「せいぜい」を表します。
There were at most 100 people at the party.
そのパーティには多くても100人がいました。
no less than
no less thanの意味
まさに~・~も
no less thanの覚え方
no less thanを理解するポイントも、やっぱりnoのニュアンスを理解することです。
noはここまで説明してきたとおり、「まったくない」「ゼロだ」と、感情を伴う強い否定を表します。そしてこれにより、no less thanのnoはlessを否定して、「それ以下のものではなったくない」→「まさに~」「~も」という意味になります。
たとえば、There were no less than 100 people at the party. の場合を考えてみましょう。
noが入らないで、There were less than 100 people at the party. だったら、その意味は「そのパーティには100人以下の人がいました」で、図で表すと次のようになります。(●が100人を表しています。)
しかし、ここにnoが入ることで、「出席者が100人以下だったわけない」→「出席者はまさに100人もいた」となります。ポイントはもともとの期待値「100人以下」が否定されていること。強い否定を表すnoのニュアンスがつかめていることがとても大切です。
no less thanの言い換え
ここまで解説してきたように、no less thanは強い否定を伴って「まさに~」「~も」を表します。
「まさに~」「~も」という強調表現は、as many asもしくはas much asという比較級を使って表すことができます。
There were as many as 100 people at the party.
そのパーティには100人もの人がいました。
not less than
not less thanの意味
~以上、少なくても
not less thanの覚え方
no less thanのnoが強い否定を表していたのに対して、not less thanのnotは感情を伴わない単純な否定になります。
A is less than B. だったら「A≦B」ですよね。notが入るとこれがひっくり返って「A≧B」となります。(数学的には「≦」の逆は「⋗」ですが、ここもいったん無視しましょう。)
たとえば、There were less than 100 people at the party. は「そのパーティには100人以下の人がいました」ですが、There were not less than 100 people at the party. だと、「そのパーティにいたのは100人以下の人ではありませんでした(=少なくても100人がいました)」となります。この文には、感情的な強い否定はなく、あくまでもニュートラルな表現です。
not less thanの言い換え
not less thanを使うと、There were not less than 100 people at the party. は「そのパーティにいたのは100人以下の人ではりありませんでした(=少なくても100人がいました)」となることを確認しました。
したがって、これを言い換えると次のようになります。at leastで「少なくても~」を表します。
There were at least 100 people at the party.
そのパーティには少なくても100人がいました。
まとめ
ちょっと複雑な比較級を使った表現も、イメージやニュアンスが理解できていれば怖くない!
no(not) more than/no(not) less than
no more than
- ニュアンス:more than(~以上)を否定
- 意味:~にすぎない・~しか
not more than
- ニュアンス:more than(~以上)の逆
- 意味:~以下、多くても
no less than
- ニュアンス:no less than(~以下)を否定
- 意味:まさに~・~も
not less than
- ニュアンス:less than(~以下)の逆
- 意味: ~以上、少なくても
関連記事