【子供の英語教育】何歳からはじめるべき?発音・リスニング・英会話を伸ばすには?【9歳の壁】

2020年度から小学校で英語教育が必修化されました。

これにより、小3・小4に外国語活動(英語を使ったレクレーションなど)、小5・小6では国語算数理科社会と同じ扱いで英語の授業が導入されています。

子どもの英語教育は何歳からはじめるのが正解なのでしょうか?

目次

9歳の壁

外国語活動がはじまる小学校3年生というと、年齢的には9歳~10歳。

「まだ国語の作文だって上手に書けないし、漢字だってまだまだ覚えないといけないのに、英語なんて無理なんじゃ・・・」「大学生ぐらいになって留学したかったらそのときに覚えればいいんじゃないの?」という親御さんの声が聞こえてきそうですが、ここでショッキングなお知らせがあります。

人間の音声言語習得の臨界期は9歳ぐらいまでといわれています。

教育現場では「9歳の壁」と呼んでいますが、このころになると子どもの音声から言語を学ぶ能力が衰えはじめるといわれています。そして中学生ぐらいの年齢になると、脳が一番慣れている言語に反応するため、他の言語を聴いても頭の中で置き換えができない状態になるんです。

たとえば、世界的に著名な幼児期の言語習得に関する脳の研究者Patricia Kuhl氏は、TEDで次のようなスピーチをしています。

言語習得の臨界期
引用:TED-パトリシア・クール 「赤ちゃんは語学の天才」

What we see here is that language has a critical period for learning. The way to read this slide is to look at your age on the horizontal axis. And you’ll see on the vertical your skill at acquiring a second language.

The babies and children are geniuses until they turn seven, and then there’s a systematic decline. After puberty, we fall off the map. No scientists dispute this curve, but laboratories all over the world are trying to figure out why it works this way.

引用:TED-パトリシア・クール 「赤ちゃんは語学の天才」

ここでわかるのは、言語には学習の臨界期があるということです。このスライドの横軸の自分の年齢を見てください。縦軸には、第二言語習得のスキルが表示されています。

赤ちゃんや子どもは7歳になるまで天才的ですが、その後、系統的に低下していきます。思春期を過ぎると、地図から外れてしまうのです。この曲線に異論を唱える科学者はいませんが、世界中の研究所が、なぜこのような仕組みになっているのかを解明しようと試みています。

▼参考:TED-パトリシア・クール 「赤ちゃんは語学の天才」

また、心理学雑誌の『Cognition』で発表された研究からは、次のようなことがわかります。

And in a new study, scientists have pinpointed the age at which your chances of reaching total fluency plummet: 10.

The study, published in the journal Cognition, found that it’s “nearly impossible” for language learners to reach native-level fluency if they start learning a second tongue after age 10 — though that doesn’t seem to be because language skills go downhill at this age.

引用:TIME

そして新しい研究で、科学者たちは、流暢に話せるようになる可能性が急落する年齢を特定したのです。10歳であると。

Cognition誌に発表されたこの研究によると、言語学習者が10歳以降に第二言語を学び始めると、ネイティブレベルの流暢さに達することは「ほぼ不可能」であることがわかった。

古くは1967年に、言語学者でもあり神経学者でもあるLennebergが、「人間は乳児期から思春期(11~12歳)までの成熟期間を過ぎると母語話者並みの言語を獲得できなくなるという年齢限界がある」として、「言語獲得の臨界期仮説」を提唱しているよ。

つまり、苦労せずにリスニングができるようになったり、発音矯正をしなくても自然にネイティブのように発音ができるようになるためには、年齢が1桁のうちに英語の勉強をしておかないといけないことがわかります。

また、それと同時に、文法・リーディング・ライティングといった手段から英語を学ぶのではなく、日本人が日本語を学ぶ方法と同じように自然と英会話能力を身につけたい場合も、年齢が1桁のうちに英語学習をはじめたほうが圧倒的に有利といえます。

9歳以降の勉強法

では、9歳を超えてしまった場合は、英語をあきらめないといけないのでしょうか?

答えはNOです。

ただ、年齢を重ねてからも「ネイティブが英語を身につけるように自然と英語を身につけたい」という希望は科学に反していますよね?

元イェール大学助教授の斉藤淳氏が、『ほんとうに頭がよくなる 世界最高の子ども英語』という著書の中で、「子どもがまだ幼いときには文法を介さずに英語をかたまりで学ぶ方法がより効果的であり、成長が進むにつれて、文法解説も交えた概念的な理解の有効度が高まっていく」と述べています。

年齢に応じた語学学習アプローチ
引用:DIAMOND ONLINE-言語習得の科学が実証!!
「英語は12歳では手遅れ」のウソ

まさにこのとおりで、年齢が大きくなれば大きくなるだけ、文法学習だったり音声学など、机に向かう勉強が必要になってくる、というわけですね。

まとめ

発音・リスニング・英会話などを自然に身につけたい場合は、早ければ早いほど有利。

関連記事

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

SHARE
URLをコピーする
URLをコピーしました!
目次
閉じる