【内情暴露】塾と家庭教師はどっちがいい?メリット・デメリットは?【中学/高校/大学受験】

こんにちは、元塾講師×現役家庭教師のあんです。

突然ですが、塾と家庭教師のどちらを選ぶかで、その後の人生が大きく変わることがあります。

この記事では、塾と家庭教師、受験のためにはどっちがいい?苦手克服のためには?内気な性格の場合はどちらが向いているのかなど、塾と家庭教師のそれぞれの特徴を経験者目線で紹介していきたいと思います。

目次

塾の特徴

塾での経験談

わたしが勤めていた塾は、有名私立中高や県内トップクラスの公立高校を目指す生徒が通う塾でした。

1クラスの生徒の人数は24人ほど。入会テストがあり、塾で定めている一定の点数を超えないと入会することができないという、厳しい条件がありました。

入会後は、トップ校合格を目指して頻繁に塾内テストが行われます。結果は廊下に張り出されますし、教室の席順は成績順に並び替え変えられるので、成績上位の生徒は前の席、成績が悪い生徒は後ろに並ばされていました。

塾のメリット①:競争心

成績の良い生徒と接することができ、その生徒の勉強法を知ることができるのが、塾に通ういちばんのメリットでしょう。

部活を一生懸命していても成績の良い生徒もいますし、一見チャラチャラしているのに実はひっそりと自習室に通って成績を上げている生徒もいます。そういう生徒がいることを目の当たりにできるので、成績の悪い生徒は「部活が忙しかったから」という言い訳ができなくなり、努力するしか道が残されなくなります。

また、わたしが勤めていたような、成績順で席替えが行われる塾であれば、生徒としては席順が上がればうれしいし、席順が下がれば悔しいし、必然的に他者を意識して勉強するようになるというも大きな魅力だと思います。

そもそも論なんですが、いずれやってくる中学受験とか高校受験、大学受験とかって、結局は他の生徒との競争なんですよね。だから、競争心をもって勉強するというのは、実はすごくいいことなんです。

塾のメリット②:仲間

塾に通っていても、ダレることもあるし、時には講師にムカつくこともあると思います。そういうときに、気持ちを共有できる仲間ってめちゃめちゃ大事ですよね。

特に受験期は、本当にしんどくて、生徒たちは人生でいちばん大きいプレッシャーを感じる時期です。そういう時期って、塾に通っている友達同士で自然と連帯感が生まれて、それってプロの塾講師が励ましの声をかけるよりも何倍も生徒の力になったりします。

あとは、例えば数学が苦手な生徒が数学が得意な生徒に「どうやって勉強してるの?」って聞いたりできるのも仲間がいる魅力だと思います。

塾のメリット③:科目別のプロ

これは家庭教師と比べたときのいちばんのメリットだと思います。家庭教師だと同じ先生に複数の教科を教わることが多いですよね?でもよくよく考えてほしいんですけど、理系科目である数学と文系科目の国語の両方をプロレベルで教えられる家庭教師は本当にごくわずかです。

たとえば、わたしの場合は、英語と国語であれば生徒の偏差値を70ぐらいまで伸ばすことはできます。でも数学に関しては、平均点を超えることはできても、全国一の成績を取らせてあげられる自信は申し訳ないんですけどありません。

それに比べて塾の場合は、数学は数学専任講師、国語は国語専任講師に教えてもらうことができます。補習レベルにとどまらず各科目の能力を最大限まで伸ばしたい場合は、専任講師がそろっている塾がオススメです。

私立中学受験や高校受験であれば、全教科を全国トップレベルで教えられる家庭教師もいます。でもやっぱりまれな気がします。大学受験で必要な教科を一人の家庭教師に全部教えてほしいという場合は、それ相応の財力と運が必要になります。

塾のメリット④:情報量

塾はその地域の生徒が多い分、その地域の定期試験の内容の対策も充実していますし、生の受験情報を入手できるとても心強い存在です。

例えば、「○○中学から△△高校に合格するには、内申点はどれぐらい持っている必要があって、塾内テストの偏差値はどれぐらいが目安」という情報を多く持っていますし、特に有名中高に合格するためのセオリーは毎年必ずアップデートされています。なぜなら、塾は有名校に生徒を何人合格させるかで飯を食っている業界だからです。

塾のデメリット①:できない生徒は見捨てられる

「できない生徒見捨てられる」というのは、悲しいことですが、紛れもない事実です。

もちろん、塾の先生方はそんなことは言いません。「責任をもってお預かりします」「第一志望に合格できるよう精一杯やらせていただきます」って言います。だって授業料もらって商売しているから。

でも本当はできない生徒のことはどうでもいいんです。だって、できない生徒が大して有名じゃない学校に受かっても、塾的にはなんのアピールにもなりません。だったらその分できる生徒やそのご家庭のフォローに労力を使ったほうが何十倍もマシなんです。

だから、先生方も”できる範囲でのフォロー”しかしないというのが現状です。

塾のデメリット②:個人の能力・都合は配慮されない

家庭教師であれば、「この単元は苦手そうだから時間をかけてあげよう」とか、「風邪を引いてしまって勉強ができなかった期間の分をこのタイミングでフォローしてあげよう」とか、そういう配慮ができます。

でも、集団塾の場合はできません。集団で動いているからです。そして、塾のカリキュラムに後れをとってしまった生徒は自分で穴埋めしないと、そこからどんどん置いて行かれます。

家庭教師の特徴

家庭教師の経験談

わたしはこれまでに、中学生と高校生を複数人お預かりした経験があります。

また、家庭教師センターの中で、小学生を預かっている先生方と情報交換をすることもあります。

個人情報になるのであまり詳しくは書けないんですが、通ってくる学生は、集団塾についていけなかった中学生とか、私立高校に行っているものの英語だけ伸び悩んでいた高校生とか、すでに難関校に通っているのにさらにレベルの高い授業を受けるための教育費は惜しまないご家庭の方針でとか、学習到達度や家庭環境はほんとうにまちまちなんだなと感じます。

家庭教師のメリット①:カスタマイズ

家庭教師の最大のメリットはこれでしょう。得意を伸ばし、苦手をつぶすことに関しては、どんな大手塾よりも家庭教師がベストな選択だと思います。

たとえば、わたしは次のようなカスタマイズをしてきました。生徒の特性と目標に合わせたら結果としてそうなった感じなんですが、どれも「こんな授業展開の仕方、塾ではしてあげられないよなー」と思うものばかりです。

■同じ中学生でも・・・

英語が苦手な公立中学生
→「今の段階で教科書内容はわからなくてOK」「単語を中1からおぼえ直す」「文法問題に出てくる単語はとりあえずわからなくてもいいけど、文法の基本的なルールは押さえること」

英検に合格したい私立中学生
→「目先の目的は英検合格なので、定期試験で問われるような細かい文法事項にはこだわらない」「単語はかなりのボリュームをこなす」「リスニングやリーディングなどの実践的な学習の中で、必要な文法知識を補強する」

■同じ私立高校生でも・・・

英語が苦手な男子校高校生
→「単語力はあるけど文法が弱いので、とにかく文法演習」

英語が苦手な女子高校生
→「文法の基礎はできていて読解力もあるけど単語ができてないので、授業では長文読解を通じて語彙力を増やす。宿題として単語帳を覚える」

家庭教師のメリット②:細かいチェック

家庭教師で1vs1で生徒を指導すると、「ノートの取り方がおかしいな」とか「宿題たぶん書き写しただけなんだろうな」とか「学校の提出物の仕上げ方こんなんじゃだめだよ」とかが手にとるようにわかります。

また、英語で言うと、スペルミスをしているのとか、発音がおざなりになっているのとかそういう点でフォローもできますし、さらには、確認テストをしていると、生徒の手が止まることがあるので、「あー、そこが苦手なんだね」ということがわかり、その場で解説を入れることができるのも、家庭教師の魅力ではないでしょうか。

家庭教師のメリット③:質問環境

塾や学校の授業中にちょっと気になったことがあっても、その場で質問するのってなかなか難しいですよね。

たとえば英語だったら、新しくhurtっていう単語を習ったときに、「あれ?前にもハート(心)って習った気がするけど、あの単語はhurtじゃなかったっけ・・・?」ってなる生徒がけっこう多かったりするんですが、この疑問ってとっても大切で、こういうように生徒がふと疑問に思ったり勘違いしやすいところこそ試験に出やすいんです。それが塾に通っていたら「まあいっか」って流しちゃうことが多い。

それが家庭教師だとその場で気軽に質問できるので、モヤモヤも解消できるし、試験で確実に得点できるようになるし、とても有効な時間になるわけです。

解説:試験でねらわれやすい「ハート」

hurt /hə́ːrt/ 【形】ケガをした、傷ついた
heart /hɑrt/ 【名】心臓

読み方は、カタカナにするとどちらも「ハート」なんですが、hurtは口を小さく開く「ハート」、heartは口を大きく開く「ハート」です。

発音やスペルが間違えやすいので要注意!!

家庭教師のメリット④:相性

これが意外と見逃されがちな点ですが、教師・講師が生徒の好みにあったコミュニケーションを取れているかどうかは非常に重要な点です。

極端に褒められたほうが伸びる生徒もいれば、なんでもかんでも褒められるよりはできていない点を厳しく指摘されたほうが気合いが入る生徒もいます。そしてなによりも「先生は自分のことをちゃんと見てくれている」という意識があることで、生徒が意欲を持つことは往々にしてあります。

実際に、家庭教師に申し込むときは次のように希望を聞かれることがあります。

希望のタイプに○印を記入してください。

① 明るく楽しい先生
② やさしく丁寧におしえてくれる先生
③ 気軽に何でも話せる先生
④ ときには厳しく教えてくれる先生
⑤ まじめで礼儀正しい先生

集団塾ではこのようなカスタマイズは難しいところですが、家庭教師であれば相性がいい先生とのマッチングが可能です。

家庭教師のデメリット①:質のばらつき

家庭教師は、「とりあえず時給がいいアルバイトがいいから」という理由で登録している社会人経験がない学生もいれば、「1対1で生徒と向き合って最高の教育サービスを提供したい」というプロまでいて、質には本当にバラつきがあります。

たとえばわたしの場合、幼児教育から大学受験、TOEICまで精通していて、海外留学の経験もあるので、英語のあらゆる質問に対応することができますが、中には質問しても、「これはそういうものだから」って機械的にしか答えてくれない先生も残念ながらいるようです。

どの家庭教師の先生も、家庭教師センターに登録するときにテストを受けるので、最低限の基準はクリアしているんだとは思いますが、それはあくまでも最低限の話なんですよね。一流の先生に当たるかどうかというと、それはまた別の話になってきてしまいます。

家庭教師のデメリット②:ライバルが近くにいない

これは「塾のメリット①:競争心」の裏返しの解説になりますが、競争相手が近くにいないっていうのは、やはりデメリットではないかなと思います。

学校の定期試験や模試などで自分の順位は確認することができますが、それって何か月に1回かの機会ですよね?そうではなくて、日々切磋琢磨できる仲間が近くにいて、刺激を受けられるってことはとてもとても大切なことだと、塾講師と家庭教師両方を経験してあらためて思います。

まとめ

有名集団塾に入会できても、その特性を十分に活用できていなければ成績は伸びません。

また、相性のいい家庭教師に当たった場合は勉強が楽しくなる可能性は大きいけれど、受験戦争に勝ち抜ける精神面が養われるかというと、それはまた別問題だったりします。

実力を最も伸ばせる手段をみつけましょう!もちろん併用もオススメです。

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