2022年1月15日(土)に共通テスト英語(リーディング・リスニング)が実施されました。この記事では、大手予備校や有名講師の分析をまとめています。
リーディング・リスニングに共通する分析や見解は、リーディングのところにまとめています。
リーディング
東進
出題形式は昨年と同じ。大問6題からなる構成で、配点にも変化はなかった。設問数は1問減少し、マーク数は1つ増加した。
引用:英語リーディング全体概観
出題内容は、動物園のウェブサイト、図書館利用に関するポスター、家電購入に関するブログ記事など身近な話題を扱った英文から、ある発明家の伝記文、プラスチックのリサイクルといった説明的文章まで多様な題材であった。多くの大問で図表やグラフが使用されており、複数の情報源から概要・要点を把握する力が求められた。
英文の語数は、第1問~第4問はそれぞれ180語~400語となっている。第5問は約640語、第6問Aと第6問Bはいずれも約680語であった。試験全体の総語数は約6000語で、昨年の第1回大学入学共通テストを約450語以上も上回っている。
河合塾
大問構成、出題のねらいに大きな変化はなく、今年も多様な英文が出題された。
引用:英語(リスニング) [分析]
第1問・第2問・第4問では本文のタイプに変化があったが、出題のねらいには大きな変化はなかった。イラストなどのビジュアル情報がほぼすべての問題に加わった。
難易度
昨年並み
第2問A、第3問B、第6問Bは昨年と比べてやや難化したが、第1問A・B、第2問B、第3問A、第4問はやや易しくなり、全体としては昨年並み。
出題分量
問題本文・図・設問・選択肢すべて含めて6044語で、昨年の第1日程から500語程度増加した。本文では第3問B、第6問Bが大幅に増加した。
出題傾向分析
昨年同様、「様々なテクストから概要や要点を把握する力や必要とする情報を読み取る力等を問うことをねらいとする」という、大学入試センターの作成方針に沿って様々な形式の問題が出題された。またイギリス英語の表現や綴りも本文中に見られた。
代々木ゼミナール
総評と分析
引用:英語(リーディング)
※前年との比較は、2021年度大学入学共通テスト(1/16・17実施)との比較です。
昨年同様、日常の場面を意識した多様な英文が出題された。英文の総語数は昨年より約500語増加し、素早く必要な情報を読み取る力が問われている。
個々の設問の出題形式は昨年から変化があるものの、様々な形式の英文や資料の読み取りという点では変わらない。本文と設問および選択肢を合わせた総語数は約6000語で昨年よりも約500語増加した。
問題量
英文、リード文、図表等の総語数は昨年から約500語増加し、約4400語。設問選択肢等の総語数は昨年と同程度の約1500語。
出題分野・出題内容
ブログ・広告などの日常的素材から資料・論説文まで、様々な英文を題材とした読解問題が出題された。
事実と意見を区別する特徴的な問題は減少した。
昨年同様、一部の問題ではイギリス英語で書かれた英文の読解問題が出題された。
出題形式
4択問題の出題が中心ではあるが、複数選択肢を並び替える問題、複数の空所に当てはまる選択肢を選ぶ問題など、より正確な理解を問われる出題も見られた。
難易度(全体)
全体として約500語増と少なからず英文の語数は増えたものの、必要な情報を見つけやすい設問も多かった。特に第1問から第3問では表現の言い換えも少なく、素早く解答できるものが多い。ただし、第4問などでは、読み飛ばしてしまうと間違えやすい設問も含まれている。総合すると、昨年と同程度の難易度であった。
Z会
難易度は2021年度並みだが、読解量(語数)はやや増加した。出題形式にいくつか変化は見られたものの、短時間で多くの情報を処理する速読速解力が求められた点に変わりはない。イラストや表、グラフを扱う問題も21年度同様に多数出題された。なお、第2問と第3問ではイギリス英語特有の表現が用いられていた。
引用:共通テスト(2022年度)の分析&対策の指針
ベネッセコーポレーション/駿台予備学校
― 昨年同様、様々な場面や状況に応じた題材が取り上げられた。難易は昨年並 ―
引用:問題講評【英語・リーディング】
題材は昨年同様、日常的な文章や説明文など様々なものが扱われた。設問では記述内容の順序を問う問題や、プレゼンテーションの骨子を完成させる問題などが出題され、昨年同様に多面的に情報を処理することが求められた。読解量はやや増加したものの、難易は昨年並。
【大問数・解答数】 大問数6は昨年から変更はなかったものの、昨年47個だった解答数は48個に増加した。
【出題形式】 昨年と同様、全大問が読解形式であり、題材は日常的な文章から説明文まで様々なものが扱われた。設問では記述内容の順序を問うものやプレゼンテーションの骨子を完成させるものなどが出題され、多面的に情報を処理することが求められた。
【出題分野】 実際のコミュニケーションの場面を意識した、多岐にわたるジャンル・形式の出題。概要の把握から複数情報の整理・比較・判断まで多面的な資質・能力が求められた。
【問題量】 素材文語数は、昨年から約250語増加(約4200語→約4450語)。
【難易】 昨年並。
森田鉄也
山添玉基
田中健一
寺島よしき
長瀬正志
べっち
リスニング
東進
出題形式は昨年と同じ。大問6題からなる構成で、配点にも変化はなかった。
引用:英語リスニング全体概観
第1問は短いセンテンスの読み上げを聞き取り,内容が最も近い選択肢を選ぶ問題で,第2問・第3問は短い対話を聞き取り,質問に対する答えを選ぶ問題。第1問~第3問には全体配点の約60%が与えられている。ある状況を説明する短文の聞き取り(第1問)や、社会的な話題に関する講義を聞いて要点を整理する問題(第5問)なども出題された。読み上げ回数は第1問・第2問が2回読み、第3問~第6問は1回読みであった。イラストやグラフ、表が多数使用されており、単に英語を聞き取ることができればよい訳ではなく、目的に応じた思考力・判断力が問われる内容になっている。
読み上げ語数は、昨年と同様で約1500語程度であった。また、アメリカ人話者だけでなくイギリス人話者や、日本人と思われる非ネイティブ話者が含まれていた。
河合塾
出題傾向に大きな変化はない。第4問Aで昨年の第1日程と多少の変更が見られた。
引用:英語(リスニング) [分析]
第4問Aでは、昨年のグラフの問題ではなく、4つのイラストを時系列に並べる問題が出題され、数の聴き取りが姿を消した。
難易度
やや易化
昨年の第1日程と同様、音声は全体的に聴き取りやすく、語彙レベルと語数は昨年とほぼ同じで、全体的にはやや易しくなった。
出題分量
マーク数、配点は昨年の第1日程と同じ。読み上げられた英文の総語数は1,532語(昨年の第1日程は1,528語)、質問・選択肢の総語数は562語(昨年の第1日程では571語)とほぼ同じであった。
出題傾向分析
音声を正確に聴き取り、聴き取った情報を他の表現に言い換える力や、選択肢を素早く読み取り、情報を整理するスキルが求められた。これらに加え、図表やワークシートなどを正しく読み取り、聴き取った情報と重ね合わせて判断する力も求められた。
代々木ゼミナール
総評と分析
引用:英語(リスニング)
※前年との比較は、2021年度大学入学共通テスト(1/16・17実施)との比較です。
昨年同様、第3問から第6問は1回読みの出題であり、またイギリス英語などの読み上げも含まれた。
全体の大問構成や読み上げの方式は昨年とほぼ同様であった。特に後半では専門的な内容や、複数人の発言内容の整理が必要な問題等、1回で聞き取って解答するにはやや難しい問題も含まれた。
問題量
問題部分のスクリプトの総語数は昨年とほぼ同じで約1500語。設問および選択肢等の総語数は昨年から約100語増加し、約800語であった。
出題分野・出題内容
前半では短文の聞き取りや日常会話といった比較的平易な内容が出題された。一方、後半では第5問の講義など、やや専門的な内容が出題された。
一部の問題でイギリス英語や英語を母語としない話者による読み上げを意識した音声が含まれた。
出題形式
昨年同様、4択問題が中心であるが、ワークシートを埋める問題や、4人の話者のうち特定の意見をもつ人数を答える問題なども出題された。
難易度(全体)
問題形式は、第4問で試行調査で出題されていたイラストを並び替える問題が復活したことを除けば、昨年とほぼ同じであった。読み上げ音声については昨年と比較して発音が明瞭で聞き取りやすくなり、そのため全体としてやや易化した。
Z会
出題形式・分量は2021年度並みで、難易度にも大きな変化はなかった。引き続き音声にはアメリカ英語以外も含まれ、第3問以降は1回聞きであった。問題ごとに設定された場面・状況下で、与えられたグラフや表などの資料を読み込んだ上で聞き取った情報から素早く正答を導き出す必要がある点も変わらず、高い情報処理力が求められた。
引用:英語リスニング – 共通テスト(2022年度)の分析&対策の指針
ベネッセコーポレーション/駿台予備学校
― イラスト並べ替え問題が出題されたが、その他の大きな変更なし。昨年よりやや易化 ―
引用:問題講評【英語・リスニング】
昨年に続き、音声情報とイラストやグラフなどの視覚情報を組み合わせて答える問題が出題された。場面に応じた聞き取りを要する実践的な英語力が問われた。講義全体を理解する必要がある問題や、放送文からの言い換えに注意が必要な問題もみられたが、全体的に取り組みやすく、昨年よりやや易化。
【大問数・解答数】 大問数6、解答数37個は、昨年から変更なし。
【出題形式】 音声情報と図表などの視覚情報を組み合わせて答える問題が昨年に引き続き出題された。日本語で設問の状況を与えられるなど、各場面や目的に応じた聞き取りを要する実践的な英語力が問われた。音声が流れる回数も昨年通り。一部の問題で多様な話者による音声も含まれた。
【出題分野】 日常的な発話から説明文や4人の話者による会話まで、多岐にわたるジャンル・形式の出題。概要の把握から複数情報の整理・比較・判断まで多面的な資質・能力が求められた。
【問題量】 昨年並。
【難易】 昨年よりやや易化。
森田鉄也
まとめ
共通テストでは、リーディングは速読力がカギ。リスニングは特別な能力は必要ないものの、配点が長く試験時間も長いため、テクニックで乗り切るのではなく基本的なリスニング能力をつけておくことが大切です。
プロ家庭教師と英語教材編集者としての知識・経験を活かし、受験生を指導していますので、気になることがあればお問い合わせからご連絡ください。
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