2022年1月14日、レディー・ガガ主演のグッチの映画『ハウス・オブ・グッチ』が公開されました。
予告動画だけでもめちゃめちゃかっこいいので、ぜひ見てほしい!
ということで、この記事では、予告編の英単語や文法を、英語教材編集者が解説します。
映画『ハウス・オブ・グッチ』とは?
『ハウス・オブ・グッチ』は、グッチ創始者の孫であるマウリツィオ・グッチとその妻パトリツィア・レッジアーニを軸に、世界的ファッションブランド・グッチ家の経営権争いと、その中で起きた殺害事件を描いた作品。
公式サイトででは、次のように紹介されています。
華麗なる一族の闇に包まれた”実話”
引用:映画『ハウス・オブ・グッチ』公式サイト
豪華キャスト&スタッフ集結のラグジュアリーサスペンス
INTRODUCTION
フィレンツェで設立され、現代のファッションブランドの元祖と呼ばれるGUCCI。
巨匠リドリー・スコット監督が手掛ける本作は、ブランドの成功の陰にある
〈グッチ一族崩壊〉の衝撃の“実話”を基に、1970年から始まった一族の30年にわたる
愛、裏切り、退廃、復讐、そして殺人に至るまでを辿っていく…。
主役のパトリツィアを演じる唯一無二のアーティスト、レディー・ガガ(『アリー/
スター誕生』でアカデミー賞主演女優賞ノミネート)をはじめ、
パトリツィアの夫マウリツィオを「スター・ウォーズ」シリーズのアダム・ドライバー、
マウリツィオの狡猾な伯父を名優アル・パチーノ、マウリツィオの独創的な従兄弟を
ジャレッド・レト、そして、昔気質な父親をジェレミー・アイアンズが演じ、
豪華キャストが“華麗なる一族の真実”を明らかにする。
予告動画
それではさっそく、予告動画を見てみましょう。
書き起こし
予告動画の英語を書き起こしてみました。
Gucci.
It was a name that sounded so sweet,
so seductive.
Come, meet the family.
Everybody, this is Patrizia
and this is my family.
Kick his teeth out.
They had it all.
Wealth, style, power.
Who wouldn’t kill for that?
Maurizio,
my nephew.
I’ve been a Gucci all my life.
It is an empire.
You can help the family.
Gucci’s not exciting
and everybody knows it.
At least it’s my name sweetie.
Our name, sweetie.
Gucci needs new blood.
Gucci is what I say it is.
This is not a woman’s game.
Remember that.
Madness.
Who does he think he is?
It’s time to take out the trash.
Gucci is a rare animal.
It must be protected.
Protected from who?
From whoever threatens it.
What game are you playing?
But we’re a family.
You traitor.
Gucci is my name too.
Who does what?
Don’t miss.
I don’t consider myself a particularly ethical person.
No!
But I am fair.
I subscribe to
unconventional punishments.
対訳
では、公式の予告動画の翻訳と照らし合わせてみましょう。
Gucci
グッチ
It was a name that sounded so sweet,
その名前は甘く響き
so seductive.
私を誘惑する
Come, meet the family.
家族に紹介してくれ
Everybody, this is Patrizia
みんな パトリツィアだ
and this is my family.
これが僕の家族
Kick his teeth out.
歯をへし折れ!
They had it all.
彼らは全てを持っている
Wealth, style, power.
富 スタイル 権力
Who wouldn’t kill for that?
殺してでも欲しいものを
Maurizio,
マウリツィオ
my nephew.
私の甥だ
I’ve been a Gucci all my life.
ずっとグッチ家で生きてきた
It is an empire.
グッチは帝国だ
You can help the family.
あなたが立て直せば?
Gucci’s not exciting
グッチはつまらなくなった
and everybody knows it.
事実よ
At least it’s my name sweetie.
少なくとも僕の名前だ
Our name, sweetie.
”私たち”でしょ あなた
Gucci needs new blood.
グッチには新たな血が要る
Gucci is what I say it is.
グッチとは私の発言そのものだ
This is not a woman’s game.
女の出る幕はない
Remember that.
覚えておくんだ
Madness.
狂ってる
Who does he think he is?
何様のつもり?
It’s time to take out the trash.
”不要なもの”は捨てなければ
Gucci is a rare animal.
グッチは”希少種”だ
It must be protected.
守らなければ
Protected from who?
誰から?
From whoever threatens it.
脅かすヤツらから
What game are you playing?
ゲームのつもりか?
But we’re a family.
僕たちは家族だろう
You traitor.
裏切ったな
Gucci is my name too.
グッチは僕の名前でもある!
Who does what?
誰が撃つの?
Don’t miss.
失敗は許されない
I don’t consider myself a particularly ethical person.
特に道徳心は高くないけど
No!
やめろ!
But I am fair.
私はフェアな人間よ
I subscribe to
だから賛成
unconventional punishments.
型破りな罰でもね
単語&文法解説
ここでは、『ハウス・オブ・グッチ』の予告動画を理解する上でおぼえておきたい単語と英文法を解説していきます。
単語
- Gucci:グッチ
- seductive:誘惑的な
- wealth:富
- power:権力
- nephew:甥
- empire:抵抗
- madness:狂気
- take out:取り除く
- trash:ゴミ、いらないもの
- rare:希少な
- protect:保護する
- threaten:~を脅す、脅迫する
- traitor:裏切り者
- miss:失敗する
- consider:~と見なす
- particularly:特に
- ethical:道徳的な
- fair:公平な
- subscribe to:~に同意する、署名する
- unconventional:慣例にとらわれない
- punishments:罰
文法
It was a name that sounded so sweet, so seductive.
ここで押さえておきたいのは、<sound+形容詞>の表現。「~のようだ、~のように聞こえる、~のような響きがある」というときに使います。It sounds good.なら「良く聞こえる」「いいね」といった感じ。
Who wouldn’t kill for that?
翻訳は「殺してでも欲しいものを」となっていますが、直訳すると「その(=富、スタイル、権力)ために誰が殺人をしない
だろうか」という感じ。ここでのwouldは仮定法を表し「(もし~なら)…だろう」という意味を表しています。
I’ve been a Gucci all my life
このa Gucciは「グッチ家の一人」を表しています。「すべての人生をグッチ家の一人としてやってきた」という意味ですね。
Gucci’s not exciting and everybody knows it.
特に注意すべき文法があるというわけではないんですが、not excitingが「おもしろくない」→「つまらない」、everybody knows itが「みんなが知っている」→「事実よ」と翻訳されているのが美しいなあと思いました。
At least it’s my name sweetie.
このat leastは英会話でもよく使うし、文書を読んでもよく出てくる表現だから、絶対覚えておいてほしい!!!意味は「少なくても」です。
Gucci is what I say it is.
ここの表現が、簡単な英単語しか並んでいないのに構造的に難しいんですが、ポイントは<what+主語+動詞>で「(主語)が~したこと」を意味します。つまり、Gucci is what I say it is.で「グッチとは、わたしがそれだと言ったことだ」となり、ここから転じて「グッチとはわたしの発言そのものだ」というように訳されています。
This is not a woman’s game.
ここも文法的に気をつけるべきところは特にないんですが、woman’s gameが「女のお遊び」みたいになるところを、「女の出る幕はない」と訳しているのが美しいなあと思いました。(いずれにせよ今の時代で「女は引っ込んでろ」みたいな発言したら男尊女卑で炎上しそうだけど・・・)
Who does he think he is?
ここも簡単なようなで難しいんですが、直訳すると「彼は彼のことを誰だと思っているんだろうか?」となり、これが転じて「何様のつもり?」と訳されています。
It’s time to take out the trash.
これはぜひおぼえておいてほしい表現!It’s time to ~で「~する時間だ」を表します。It’s time to take out the trash.は映画の中ではいらない人間は排除されるべきだというニュアンスで使われていますが、日常生活ではこのままの英語で「ごみ捨てる時間だ」という意味で使えます。
From whoever threatens it.
ここで押さえておくべき英語はwhoever。<whoever+動詞>で「~する人なら誰でも」と表すことができます。
But we’re a family.
「一つの家族」という意味なのでa familyというように”a”がついています。
I don’t consider myself a particularly ethical person.
considerは<consider+人・モノ+状態>というように使うと「人・モノを~(という状態)だと見なす」という意味を表すことができます。
I subscribe to unconventional punishments.
subscribeは「同意して署名する」のニュアンスをもつ動詞で、最近だと「定期購読をする」という意味でも使われますよね。日常会話で「わたしは~に賛成している」というときには、subscribeという動詞はあまり使わず(「同意して署名する」というニュアンスの単語だから)、その代わりに<I agree with+人><I agree on+モノ>や<I’m for+人・モノ>という表現を使うことが多いです。
リスニングに挑戦
それでは、単語を覚えて、文法も理解したところで、今度は英語版を見てみましょう。きっと理解できるはず!
まとめ
映画は世界中の人が楽しめるように、標準的な英語でつくられていて、役者さんの発音も聞き取りやすいことが多いです。
生きた英語を学ぶのにぴったりな教材なので、YouTubeの予告動画を見てみたり、実際に映画を見てみたりして、使える英語をどんどん吸収していきましょう。
目的別の英語学習については、次の記事で解説しています。
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