「午前」「午後」を表す英語はa.m / p.m.ですが、編集の仕事をしていて、ネイティブに「表記が間違えてるよ」と指摘されることがときどきあります。
おそらく一般の方もなんとなく使っていたり、意識してなくて間違えて使ったりしてることってあると思うんです。
この記事ではおさえておきたいa.m. / p.m.の使い方を解説します。
a.m. / p.m.の正しい書き方
基本的な表記
a.m. / p.m.の正しい使い方は、次のとおりです。
- a.m. / p.m.
- A.M. / P.M.
- am / pm
- AM / PM
アメリカ英語では、a.m. / p.m.のように、ピリオドをつけるのが一般です。イギリス英語の場合はam / pmのようになります。(絶対的なルールではありません。)
日本の教科書や参考書は基本的にアメリカ英語を採用しているので、編集時に”10 am”のような表記のままネイティブチェックに出すと、”10 a.m.”のようにピリオドがついて返ってきます。
ちなみにピリオドのあとは空けるというクセがついていると、”a.”と”m.”の間が空きがちですが、a.m.のように”a.”と”m.”間は詰めて書くのが正解です。
- 10 a. m.
- 10 a.m.
また、次のように、mのあとのピリオド(.)のつけ忘れにも注意しましょう。
- 10 a.m
- 10 a.m.
さらに日本では次のように表記することがありますが、英語ではこれは誤りで、a.m. / p.m.は数字のあとにきます。
- AM 10
- 10 AM
文を書くときの注意点
アメリカ英語で文を書くときに注意したいのが、ピリオドの使い方です。
次のどちらが正しいか選びなさい。
① Let’s meet around 10 a.m.
② Let’s meet around 10 a.m..
これめちゃめちゃ迷わないですか?
“a.m.”はひとかたまりなんだから、②が正解なのかな。①だと最後にピリオドがついてないことになっちゃうもんね?
と思いがちですが、正解は
① Let’s meet around 10 a.m.
です。ピリオドは重複させないので、気をつけましょう。
a.m. / p.m.はなんの略?
a.m. / p.m.ですが、それぞれ
- a.m.=ante meridiem
- p.m.=post meridiem
を省略したものです。
ラテン語で、ante meridiemは “before midday”(正午前)、post meridiemは “after midday”(正午後) を意味するそうです。
12時は12 a.m.?12 p.m.?
適切だと思う選択肢を選びなさい。
I usually eat lunch around ( )
① 12 a.m. ② 12 p.m.
昼の明るい時間だから、12 a.m.っぽいイメージがあるかもしれませんが、正解は
12 p.m.
です。
これについては、さきほども少しふれたように、pm=post meridiem=after midday(正午後)なので、pmは12時からはじまると考えるのがわかりやすいんじゃないかなと思います。
逆に、深夜の12時は、12 a.m. ですね。
参考
正午は次のような言い方でも表せます。
- I usually eat lunch around noon.
- I usually eat lunch around 12 noon.
- I usually eat lunch around midday.
英語は24時制ではない
午後の時間帯はどう表すのでしょうか。
日本では、午前と午後の混乱を避けるために、「午後5時」のことを「17時」と表現することがありますよね。英語圏では24時制ではなく、12時制で表すのが一般的です。
「17時」は”5 p.m.”となります。
お店の営業時間なんかも、8a.m. - 5 p.m.や8:00 a.m. - 5:00 p.m. のように書かれることが多く、”a.m. /p.m.” を省略した”8-5″はありますが、”8 :00−17:00″のような書き方はあまり見かけません。
- 8 a.m.−5 p.m.
- 8:00 a.m.−5:00 p.m.
- 8-5
ただ、業種によっては24時制も使われていています。
下の画像(空港の出発時刻の案内)のいちばん右の数字「2010」や「2040」がそのパターンです。
絶対的にa.m. とp.m. を間違えてはいけない場合に、24時制が使われているような印象を受けます。
a.m. / p.m.は使わなくてもいい!?
日本語の会話で、例えば「3時にお茶しよ」ってなったとき、「え?午前の3時?午後の3時?」って聞き返さないですよね。ここには「言わなくてもわかるでしょ?」という暗黙のルールが通用しています。
英語も同じで、「4時ごろにアフタヌーンティーをしましょう」というときは、
Would you like to have a cup of tea around 4?
だけで十分で、あえてp.m.をつけなくてもまったく問題ありません。
あとは、
Would you like to have a cup of tea around 4 in the afternoon?
のように、in the morning / in the afternoon / in the eveningをつける表現方法もあります。
まとめ
a.m. / p.m.は一見簡単そうな英語なんだけど、正しく使おうとすると実は注意が必要な語句なので、まずは正しく理解するところからはじめましょう。
a.m. / p.m.
- 正しい表記は、”a.m. / p.m.” “A.M. / P.M.” “am / pm” “AM / PM”
- 文を書くときはピリオドを重複させない
- 正午は12 p.m.
- 英語は基本的に12時制
- a.m. / p.m.を使わなくても表現できる
関連記事