おすすめの文法書ってなにかないかなと検索していると必ずひっかかる『English Grammar in Use』。でも実はこれって1冊じゃないんです。
この記事では「Grammar in Use」シリーズを全比較したうえで、おすすめの教材を紹介します。
「Grammar in Use」シリーズとは?
「Grammar in Use」シリーズは、1985年に出版された『English Grammar in Use』(イギリス英語中級編)からはじまり、コミュニケーションに「使える」実用英文法書として、世界中の英語学習者から絶大な支持を得ている英語教材のシリーズです。
英語圏の留学生向け語学学校でも、学校教材としてばんばん採用されています。
シリーズは全部で7種類。イギリス英語版とアメリカ英語版、そしてアメリカ英語版の日本語訳版の3種類あり、レベルも初級・中級・上級と3種類あります。
同じ本でも、練習問題の答え付き/答えなし、タブレットなどのオンラインで学べるebook付/ebookなしとあるので、購入の際は注意しましょう。
「答え付き」:with Answersと記載
「答えなし」:without Answersと記載
「eBook」:eBookと記載
それぞれの教材の特徴と比較
English Grammar in Use
「Grammar in Use」シリーズのオリジナルは、『English Grammar in Use』。1985年に初版が発売され、2019年には第5版が出るなど、シリーズの中で最も多く使われている教材です。
難易度は中級で、目次は公式サイトから確認することが可能です。
上で紹介しているのは、本と同じ内容がオンラインで学べる「eBook」と練習問題の答えがついた通常版ですが、「eBook」がついていない版、「eBook」も練習問題の答えもついていない版、学習手帳が付いているけど「eBook」はついていない日本限定版があるので、購入の際には注意しましょう。
▼参考:eBookとは
▼参考:日本限定版は、洋書版テキスト『English Grammar in Use 5th edition Book with answers』(eBookなし)に学習手帳が付属されたもの。解答は付いています。日本語の表記はありません。
イギリス英語版内の比較
Advanced Grammar in Use
『English Grammar in Use』よりさらに高いレベルの英語を学べるのが『Advanced Grammar in Use』。目次は公式サイトから確認できます。
『Advanced Grammar in Use』の最大の特徴は、アメリカ英語版やアメリカ英語の日本語訳版がなく、イギリス英語版だけであること。高いレベルの文法を扱っているため、英語を追求したいひとには貴重な1冊。著者が、他の版を執筆したRaymond Murphyではないため、他の版とは雰囲気が少し違うことだけ気に留めておくといいかもしれません。
上で紹介しているのは「eBook」と練習問題の答えがついた通常版ですが、この他に「eBook」が付いていないもの、「eBook」の代わりにCD-Romがついているものがあります。
Essential Grammar in Use
『English Grammar in Use』を初級から学べるのが『Essential Grammar in Use』。目次は公式サイトから確認できます。
上で紹介しているのは「eBook」と練習問題の答えがついた通常版ですが、「eBook」がついていない版もあるため、購入の際には注意が必要です。
ここで検討すべきことは、初級の英語(be動詞とはなにか?とか)を英語で書かれた教材で学ぶ必要があるのか、ということ。もちろん「せっかくイチから英語の勉強をするんだから英語で学びたい!」という考え方はありだと思うんです。でも効率とか労力のことを考えたら、文法の基礎は日本語で学んでもいいんじゃないかなーとか思ったり。あくまでも個人の意見ですが、「英語を勉強するんだから日本語には一切触れないんだ」という固い決意がある場合におすすめの初級者向け文法書です。
▼参考:日本発の初級者向け文法書を紹介しています。
イギリス英語版とアメリカ英語版の比較
Grammar in Use Intermediate
『English Grammar in Use』のアメリカ英語版が『Grammar in Use Intermediate』。
アメリカ英語版は、イギリス英語版を修正して出版しています。
どちらも一定の質は保たれているけれど、強いてアメリカ版のデメリットをあげるとするなら、アメリカ英語版はイギリス英語からアメリカ英語に修正しているため、全体的なまとまりとして多少ちぐはぐな印象を受けるところがある、ということ。また、アメリカは他民族国家であるため、英語がよりシンプルに変化していく傾向があり、アメリカ英語で勉強しているとイギリス英語が複雑に感じることがまれにある、ということです。
個人的な意見としては、ここは好き嫌いで選んでしまってもいいんじゃないかなと思います。「やっぱりなんだかんだでアメリカでしょ!」「いやいや、せっかく英語やるならブリティッシュイングリッシュのほうが!」ぐらいのノリでもOK。変な英語が身につくことはないので安心して好みの版を選びましょう。
Basic Grammar in Use
『Basic Grammar in Use』は『Essential Grammar in Use』のアメリカ版です。
アメリカ英語とイギリス英語の差については、『Grammar in Use Intermediate』での解説と同じです。「英語をイチからアメリカ英語で学びたい!」というニーズに合ったのが『Basic Grammar in Use』ということができます。
日本語訳版の特徴
マーフィーのケンブリッジ英文法(中級編)
アメリカ英語版『Grammar in Use Intermediate』の日本語訳版が『マーフィーのケンブリッジ英文法(中級編)』です。
中級編に取り組めるだけの英語力があれば、イギリス英語版『English Grammar in Use』かアメリカ英語版『Grammar in Use Intermediate』に取り組むことがおすすめ。英語を英語で学ぶって慣れるまでは大変なように感じてしまうけど、解説はちゃんと中級編を学ぶ学習者のために易しい英語で書かれているし、それに解説を英語で理解することもひとつの英語の勉強ですよね!?
マーフィーのケンブリッジ英文法(初級編)
アメリカ英語版『Basic Grammar in Use』の日本語訳版が『マーフィーのケンブリッジ英文法(初級編)』です。
実は日本語訳版、「初級版」「中級版」ともにレイアウトを全く変更しないで、説明文と問題文を日本語に訳しただけなんです。だから、イラスト解説のところなんかは、小さいセリフのスペースに無理やり英語を突っ込んだような印象を受けたりします。
どうせ日本語を介して勉強するのであれば、はじめから日本でつくられた英文法書で勉強してもいいんじゃないかなというような気もするし、一方で問題ページの英文はどれも英会話で使えるものばかりなので、それに価値を見出すのであれば日本語版を購入する意義もあるし、こればっかりは、よいとも悪いともなんともいえず、優柔不断なコメントになってしまってすみません。
▼参考:日本発の初級者向け文法書を紹介しています。
まとめ
「Grammar in Use」は、世界で絶賛されている英語教材のシリーズです。それぞれの教材の特性をつかんで、自分に合った最高の勉強をしていきましょう。
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