1泊2日で現代アートにどっぷりつかれる島を一人旅してきました。
土地勘なくて方向音痴のわたしでも、メインスポットも穴場も十分堪能して、最高に旅にすることができたので、旅の記録をまとめておきたいと思います。
2019年の旅の記録なので、最新の状況と異なる場合があります。
旅の記録1日目:自転車の旅
長くなってしまったので、ページを分割しました。こちらのページにまとめています。
旅の記録2日目:バスの旅
終日雨予報のため、2日目はバス移動をせざるを得ない状況。
それで前日のうちに、家プロジェクトのある本村エリアや、その他屋外作品を見るためのエリアを全部回りきったという次第です。
直島をバスで移動するためには、宮ノ浦エリア←(町営バス)→本村エリア←(シャトルバス)→ベネッセハウス周辺というルートを通るという以外の選択肢がありません。
バスは30分に1本とかしか来ないから、バス移動すると覚悟を決めた場合は、時刻表とにらめっこしながら移動プランを立てることが大切です。
関連記事:島内のバスの時刻表などはこちらにまとめています。
地中美術館も予約が必要だから、わたしの場合は前日の夜に「明日の最初は地中美術館」と決めて、その予約時間を念頭に置いて朝宿泊先のSPARKY’S HOUSEを出発しました。
繁忙期は、直前での予約は難しいかもしれません。
まず、キャリーバッグを宮浦港に置きたかったから、いったん宮浦港へ。ここは歩いて移動。
ちなみに宮浦港には、コインロッカーが大・中・小合わせて30個ぐらい(?)ありました。ロッカーが埋まってしまってる場合は、宮浦港から道を渡ってすぐのところにあるレンタサイクルやさん「T.V.C SERVICE」「ゆうなぎ」の2箇所が荷物を預かってくれるようです。
朝食:SPARKEY’S COFFEE
荷物をコインロッカーに預けて、SPARKEY’S COFFEEへ。たしかこの時点で8:45ぐらいだったかな。
SPARKEY’S COFFEEは、わたしが宿泊で利用させてもらったSPARKEY’S HOUSEの系列店です。
SPARKEY’S HOUSEも「まさにアートの島の宿泊施設!」って感じでおしゃれだったんだけど、カフェもおしゃれでした。
地中美術館
9:46宮浦港発のバスで地中美術館まで移動。
地中美術館には10:12に到着。10:30に入館する予約をしてたから、ちょうどいい時間だった。
まずはチケットセンターでチケットを受け取って、モネの池の前を通って美術館へ。
地中美術館は地中にあります。
公式ページによると
瀬戸内の美しい景観を損なわないよう建物の大半が地下に埋設され、館内には、クロード・モネ、ジェームズ・タレル、ウォルター・デ・マリアの作品が安藤忠雄設計の建物に恒久設置されています。地下でありながら自然光が降り注ぎ、一日を通して、また四季を通して作品や空間の表情が刻々と変わります。
引用:地中美術館
という設計になっています。
地中美術館でのオススメは、入館前にハンドブックを購入すること。美術館の入り口で売っています。
館内には作品の詳しい解説は展示されていません。また、スタッフさんもこちらから質問しない限りは基本アプローチはしてきません。なんでも、「先入観なしにアートを体験して感じてほしいから」というのがベネッセアートサイトのコンセプトみたい。(逆に質問したらいろいろとおしえてもらえます。)それはそれでもちろん素晴らしいアイディアだけど、でも解説がないと意味もわからず素通りしちゃって芸術を堪能できないっていうことないですか?わたしはハンドブックがあったことで自分では気づけなかった作品や芸術家たちの素晴らしさに気づけたから、ハンドブック様様でした。
クロード・モネ
言わずと知れたモネの作品ですが、ハンドブックを読むと、モネの画に対する解釈が深まりました。それと、モネの画の展示室の設計ににただただ関心。展示室の随所にモネのアイデアが再現されていることがわかりました。
ジェームズ・タレル
光そのものをアートして提示するジェームズ・タレル。実は、家プロジェクトの「南寺」もタレルの作品。やっぱり好きだなー、ジェームズ・タレル。
ウォルター・デ・マリア
球体に目が行きがちだけど、実は球体を囲んでいる(壁際に立っている)木彫がすっごくおもしろい。
球体は、ベネッセハウスミュージアムの近くに置かれている屋外作品「見えて/見えず 知って/知れず」を発展させたもので、「見えて/見えず 知って/知れず」と位置関係?光?がリンクしているっていうのが驚き。ネタバレできないのが悔しいんだけど、ぜひハンドブックを読んでみてください。わたしは前日「見えて/見えず 知って/知れず」を見たのに、ほんとにリンクしてるのかを確かめたい衝動に駆られて、2日目の雨の中、思わず「見えて/見えず 知って/知れず」をもう1回見に行っちゃいました。
安藤忠雄
「地中美術館の芸術作品は、安藤忠信が設計した美術館の中に置かれてはじめて完成されるんだろうな」ということを感じざるを得ませんでした。すごいなあ、安藤忠信。
李禹煥美術館
地中美術館のあとは李禹煥(リ・ウーファン)美術館へ。
「地中美術館」「李禹煥美術館」「ベネッセハウス ミュージアム」の3つ中で、実はいちばん期待していなかった美術館なんだけど、美術館を出たあとは「立ち寄ってよかったー」って本当に思いました。
館内で「鑑賞ツール」(?)っていうものが借りられて、そこにはそれぞれの作品に関する李禹煥の思いが書かれているんだけど、そこに書いてあった「最小限のことに持ってる力をすべて使って、それを自然と融合させることで、大きな芸術を生み出したい」みたいな言葉がとっても印象的でした。
公式サイトに書いてある
自然と建物と作品とが呼応しながら、モノにあふれる社会の中で、我々の原点を見つめ、静かに思索する時間を与えてくれます。
引用:李禹煥美術館
がぴったりな美術館だと思います。
ちなみに、「鑑賞ツール」は無料で借りられて、作品の解説のほかに、そこに訪れた人がそれぞれの作品をどう感じたのかが書いてあったり、自分でも書き込めたりしてとってもおもしろいです。おすすめ!!
ベネッセハウス ミュージアム
ベネッセハウス ミュージアムは、現代アートが点在する美術館です。
公式サイトには
アーティストたちは自ら場所を選び、作品を制作しています。作品は展示スペースにとどまらず、館内のいたるところに設置され、施設をとりまく海岸線や林の中にも点在しています。直島の自然に向き合った、または建築に触発された作品など、美術館の内外に点在するサイトスぺシフィック・ワークと合わせて、自然とアートと建築が融合する稀有な場をつくりだしています。
引用:ベネッセハウス ミュージアム
と書かれているんですが、きっとこの文章の真の意味を理解できるのは、島をぐるっと回って細かいアートを全力で楽しんだあとにこの美術館を訪れた人だけだと思う。
島を歩いてて疑問に思っていたことが、この美術館で解明されて「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」ってなります。伏線回収が半端ない!!
ネタバレできないのが本当に残念なんですけど、いろんな人に気づいてほしい。
私の場合は、スタッフさんに「もしかして・・・?」って質問したらパンフレットには書いていない情報をおしえてもらいました。
なにも気づけなかったら、スタッフさんに聞いてみてください。いろいろと親切におしえてもらえるはずです。(逆に話しかけないとなにもおしえてもらえない。)
もちろん、伏線回収系じゃないものも、素敵な作品がいっぱいありました。柳幸典「ザ・フォービドォン・ボックス」とか同「バンザイ・コーナー96」とか好みだったなあ。
昼食:ミュージアムレストラン 日本料理 一扇
ベネッセハウス ミュージアム内にある、ミュージアムレストラン 日本料理 一扇での食事や休憩もオススメです。直島地産のお食事が楽しめます。
公式サイトには
ベネッセハウス ミュージアムの地階にあるレストランです。大きな開口をもつ店内からは、どの席からも瀬戸内海と現代アートを鑑賞でき、非日常的な空間でのお食事を楽しんでいただけます。
引用:ベネッセハウス ミュージアム
とありますが、これもその通り。できたら瀬戸内海が一望できるいい席に通してもらってください。「こんなのありなの!?」っていうアートがあって「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」ってなります。伏線回収が半端ない!!(2回目)
わたしは伏線とか考えないで単純に「なんであれってああなってるんですか?」って聞いたら予想外の仕掛けと伏線をおしえてもらえた感じです。ここも美術館と同様、スタッフさんに質問しないと向こうからは説明してくれないので、もしアートの仕掛けに気づけない人はぜひ「このレストランから見えるアートがすごいって聞いたんですけど」って聞いてみてください。
一扇さんは、お食事代としてはちょっとだけお高いかもしれませんが、アートの鑑賞代が含まれているって考えてたらわりと満足でした。
直島→東京
美術館系を全部回り終わったのが14:30過ぎ。
雨がどしゃ降りだったから、交通遅延でバスやフェリーに乗り遅れて東京に帰れなくなるのも最悪だし、早めにベネッセハウス周辺を退散することに。
いやー、このバス移動が大変だった汗。ただでさえバスが頻繁に来るわけじゃないのに、天気が良かったら自転車や徒歩で移動してるだろう人たちもみんなバスに乗ろうとしてるから、地獄絵図。どしゃ降りの中でいつ来るかもわからないバスを待たなきゃいけないからみんななんとなくピリピリしてるし。自転車で回ったほうが時間も気にしなくていいし、むしろ島の自然が満喫できて楽しいし、天気が悪くなかったら、島内は自転車で移動することを全力でオススメします。
宮浦港から船に乗るまで時間がちょっとだけ余ってたから、いったん本村に寄って、家プロジェクトの「南寺」だけをワンサイト料金で鑑賞。ワンサイトチケットは、「南寺」で直に購入できました。
※ここは入り口付近。「南寺」のアート作品はこの先にあります。
前日も「南寺」来たから2回目だったけど、2回目も楽しかったー!! 1回体験してるからなのか、天気が悪かったから前日とはいろんな条件が違ったのか、1回目とは「光」が違って見えるのが興味深かったです。
再びバスに乗り込んで、宮浦港に戻ってきたのが16:10ごろ。16:25発の高速旅客船に乗れる時間だったので、これに乗って直島を去りました。
その後の移動は次の通り。
- 宮浦港→高松港 高速旅客船 移動時間:約30分
- 高松港→高松駅 徒歩 移動時間:約5分
- 高松駅→高松空港 バス 移動時間:約45分
- 高松空港→成田 飛行機 移動時間:約1時間30分
▼参考:宮浦港から高松港までの船の時刻表はこちら。
▼参考:高松駅から高松空港までのバスの時刻表はこちら。
わたしの場合は、高松駅周辺に着いたのが予定よりだいぶ早かったので、高松駅近辺でちょっと早めの夕食をとりました。
空港のうどん屋さんは行列してたから、高松駅近辺でうどんを食べるっていうプランはちょっとオススメです。
まとめ
2日目が雨という悪条件だったけど、2日間かけて、ほぼストレスなく直島のアートを満喫することができました。
土地勘ないのと方向音痴なのを考慮して、それでものんびり旅を楽しめるように、上手にプランが組めたのが大きかったなあ。
プランの組み方をまとめておきます。また行きたいなあ、直島。
直島の旅
- 直島は1泊2日がオススメ
- 移動手段は電動自転車がオススメ
- 宿泊は宮浦エリアがオススメ
- 地中美術館と「ぎんざ」は余裕をもって事前予約するのがオススメ
- 屋外作品の鑑賞は、美術館が閉まったあとの夕方の時間がオススメ
- 屋外作品を鑑賞したあとに、ベネッセハウス ミュージアムに行くのがオススメ
- 各スポットのスタッフと積極的に関わってみるのがオススメ
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