「TOEIC、年々Part 7がしんどくて集中力がもたない(怒り)」「共通テスト、センター試験と比べて圧倒的に文字量が増えて、時間内に読み切れないんです・・・(涙)」
教材編集や家庭教師などの英語関係の仕事をしていると、こういった悩みをよく聞きます。
この記事では、「テストで読まないといけない英語の量が多くて読み切れない」「読むのが遅いから問題を解ききれない」という悩みを解消できる具体的な練習方法について解説します。
練習方法0:単語や文法の基礎づくり
家庭教師をしていてつくづく感じることですが、リーディングが苦手という英語学習者のほとんどが「知っておくべき単語を知らないから読めない」という状況です。昔からよく「英語は単語が7割」と言われたりします。まずは単語の勉強をしっかりしておきましょー!!
また、文法も勉強もおろそかにしないように!TOEICだったり共通テストだったりの最近の英語の試験は、とにかく多くの英語を読ませて情報処理をさせる傾向にありますが、編集者の立場から断言できることとして、「なんとなくわかってればオッケー」という問題を作成者は作りません。だってそしたらみんな正解しちゃうから。だからこそあえて、長い文章の中でも受験者が文法的に勘違いやすい箇所を作って問題を作ったりします。だから、ちゃんと文法勉強してね?
単語力と文法力(=基礎)があってこそ、リーディング力をつけることができるのです。
練習方法1:タイマーを使う
だらだら英語をいっぱい読んでみても、英語を読む速度は上がりません。
朝から晩までのんびりお散歩しているひとにいきなり100m全力ダッシュしろって言ったところで、そのひとがめちゃめちゃ速く走れるかっていったらそうではないのといっしょです。
タイマーを用意して、読む速度を意識しながら読みましょう。
たとえば、次の英文の場合。
この英文は141語あるんですが、これを読むのに1分23秒(=83秒)かかったとします。すると、あなたの速読力は次のように計算されます。
141(語)÷83(秒)×60≒102(語/分)
→あなたの速読力は、102語/分
自分の今の実力がわかったら、あとは時間を意識しながら読む練習をしていって、スピードを上げていきましょう。1回読んで終わりにするのではなく、目標時間内に読み切れるまで、何度も何度も読んでみることが大切です。
ちなみに、大人が受ける英語試験の代表格「TOEIC」と、学生が受ける試験の代表格「共通テスト」において、解答時間をしっかり確保するための目標速読速度は次のようにいわれています。参考までに。
TOEIC | 150語/分 |
---|---|
共通テスト | 130語/分 |
練習方法2:音声を利用する
最近の英語の教材は、リーディング教材であっても、ネイティブが長文を読んでくれる音声CDがついていたり、ダウンロードできるものが多くなっています。
「発音がわからなくてもいい」「時間をかけて読んでも書いてあることが理解できればいい」という時代は終わりました。(というよりは、これまでの日本の英語教育があきらかにおかしかった。)
リーディングの際には必ず音声を再生しましょう。そして、ネイティブと同じ発音で、少なくてもネイティブと同じスピードで文章を読めるようになりましょう。
具体的な練習方法はカラオケとかといっしょ。歌おぼえるときって、最初はアーティストが歌っているのに合わせて口ずさんでみて、リズムとかつかんだら、バックミュージックだけを流して歌ってみて、自分で納得できるまで何度も何度もくり返し練習してみますよね?
英語もいっしょで、まずはネイティブの発音に合わせて読んでみる。読めるようになってきたら、音声を消してちゃんと読めるか確認する。
これ、本当に王道の勉強です。
練習方法3:とにかく声に出して速く読む
「はじめて見る英文を速く読まないといけない。でもペースメーカーになってくれる音声はないし、自力でどうにかしなきゃいけない」というときに有効なのが、わかってもわからなくてもいいからとにかく声に出して読んでみるという方法。(アナログだけど・・・笑)
そうすると、自分で発した英語が自分で聞こえてきますよね。
人間不思議なもので、ただ文字を目で追っていくよりも、声に出す刺激があったり、聞く刺激があったほうが、意外と英語が入ってきたりします。
英文読まないといけないなー、でも文字読むの疲れるなー、集中できないなーっていうときに、試してみてください。
練習方法4:えんぴつを使う
練習方法3と同じく、強引にでも速く読むための方法としてオススメなのが、えんぴつを使うこと。
えんぴつを速く動かしましょう。そしてその速度に目線も合わせましょう。それだけ。
ただ文字を眺めているだけだと、無意識のうちにゆっくり読んじゃうと思うんですよね。でもえんぴつを動かすことよって脳が活性化されるのがこの方法です。声が出せない環境にいるときに試してみて。
あ、えんぴつじゃなくて、シャープペンシルでもペンでも指でも、その場に応じて使いこなしましょ?
練習方法5:スキミング
スキム(skim)には「液体などの表面からなにかをすくい取る」という意味があるんですが、ここから派生したのがスキミングで、拾い読み・流し読みをする技術のことをいいます。
文章全体を流し読みながら、その文章がなにをいいたいのかをざっくりつかんでいきます。
英語力に自信がないと、「え、ざっと読むの不安」ってなりますよね。その気持ちはめちゃめちゃわかります。でも最後まで読む時間がなくなっちゃったら元も子もないから、全体に目を通す感覚はぜひ養ってほしいところです。
じゃあ具体的にどうすればいいのかというと、英文の場合は、文章の出だしで大事な用件が伝えられていたり、各段落の一文目にその段落の要点がまとめられていることが多いので、はじめをちょっと丁寧に読んで、あとはさらさら目を通していくのがいいでしょう。
あとは、筆者の主張を伝える表現や、接続詞のあとに注目するのも大事です。
まとめ
多くの生徒を指導してきて感じることですが、英語・日本語に限らず根っからの読書好きか、もしくは特別な速読の訓練を受けた生徒でない場合、はじめから英語を速く読むことは不可能です。
でも、毎回の勉強で「少しでも速く読む」ことを心がけていくと、その少しずつが積み重なってやがて大きな違いが生まれてきます。
速く読むことはだれにでもできるようになります。がんばりましょう。