【体験談】出版社の仕事内容!編集者・ライター・校正者&校閲者の違い

出版社で働いてみたいけど、どんな仕事をするんだろう?

編集と校正の違いはなに?

「出版社で働いてみたい」「編集者ってかっこいい」って思っている就職活動中の学生のみなさん、転職活動中の社会人のみなさん!エントリーシートや履歴書・職務経歴書を書く前にちょっと待って。編集者と校正・校閲者とライターの仕事って全く違うのをご存じですか?(わたしは出版業界に入るまで知りませんでした汗)

がんばって筆記試験や面接を何回も受けてやっと合格していざ働き出したのに、「思ってた仕事ができない」「こんなはずじゃなかった」ってなっちゃったら後悔してもしきれないですよね・・・。そんな後悔を生まないように、この記事では、編集者・ライター・校正者&校閲者の違いを解説していきます。

この記事でわかること

  • 出版社の仕事の流れ
  • 編集者・ライター・校正者&校閲者の仕事内容
  • 編集者・ライター・校正者&校閲者に向いている人

この記事を書いたひと

筆者プロフィール

  • 出版業界歴は10年ほど
  • 大手教育系出版社・語学系出版社(複数)で正社員勤務経験あり
  • 編集・ライティング・校正・校閲に従事

この記事は、語学書・学参系の出版社や編プロで働いたわたしの経験をもとに書かれています。文芸系やファッション雑誌など、ジャンルが違うと仕事内容が少し変わってきますので、ご了承ください。

目次

出版社の仕事の流れ

出典:執筆ドットコム

出版社の仕事といっても、コンテンツ(書籍・雑誌・Webメディア・スマホアプリなど)をつくる編集部もあれば、そのコンテンツを売る営業部、または、お金の管理をしてくれる経理部や社員のために環境整備をしてくれる総務部など、職種は幅広くあります。

その中で編集部は、主にコンテンツの企画から出版・リリースまでを請け負います。

たとえば、書籍を出版する場合の仕事の流れと担当者はそれぞれ次のとおり。

仕事内容担当部署関係者(外注)
企画立案営業部・編集部
執筆(編集部)外部ライター
編集編集部外部編集者
校正・校閲編集部外部編集者・外部校正者
レイアウト編集部外部デザイナー
表紙営業部・編集部外部デザイナー・外部コピーライター
印刷編集部印刷会社
出版営業部取次会社・書店・ECサイト

企画立案

企画立案では、商品のジャンルや対象者、どのぐらいの売り上げが立ちそうなのか、出版・リリースの時期はいつにするのか、商品名(タイトル)はどうするのかなどを考えていきます。

編集者だけで企画立案を進める会社もあれば、会社全体のブランディングや売り上げにも関わってくる仕事なので営業部などが関わってくる場合もあります。

企画の立て方も、お茶会のノリでおしゃべりしながら決める会社もあれば、緻密にマーケティングをしながらというところもあるし、本当に会社によっていろいろな印象です。

執筆

執筆はたいていの場合は、語学系の出版社の場合、有名講師やインフルエンサーに依頼します。

一方で、これは出版社内部で執筆しても十分な質が保てそうだと判断した商品は、”出版社の中の人”が執筆する場合もあります。

わたしが”出版社の中の人”として執筆した商品は、平均するとamazonで星4.4を取っています。「レベチ」ってレビューしてもらってうれしかったです!

編集

「編集」という定義はとてもあいまいなんですが、出版社で「編集」という場合は、以下の関係者すべての間に入ってディレクションやスケジュール調整をすることを指します。

外部にまかせきりにするのではなく、編集者自身もデザインを考えたり校正をしたりしますが、実は一般のひとが思うほど、ずっと執筆していたりずっと校正をしていたりするわけでもありません。

編集者が関わるひとたち

  • 執筆者
  • イラストレーター(絵を描いてくれる人)
  • デザイナー(カバーや本全体のデザインを考えてくれる人)
  • DTPオペレーター(ワードなどでつくったデータを入力して、本のレイアウトする人)
  • 校正者・校閲者
  • ネイティブチェッカー(英語が正しいか校正する英語ネイティブ)
  • 印刷業者
  • ナレーター(英語を吹き込んでくれるプロ。主に英語ネイティブ)
  • ナレーションの収録・編集業者

校正・校閲

校正は、文字表記が正しいのか、全体の表記が統一されているのかをチェックすることを指します。

一方で、校閲とは、書かれている内容が正しいのか、事実確認をすることを指します。

事実確認が重要な新聞社や大きい出版社では、校正部や校閲部が独立しているところがあるようですが、語学系出版社では編集者が校正・校閲をすべて請け負っていて、外部の校正者に校正・校閲をまとめてお願いすることが多いです。

出典:スタディサプリ進路

レイアウト

書籍や雑誌が出版されるときには、文字や画像がちゃんとレイアウトされていますよね。

出典:ちいラボ

印刷物にするために文字や画像をレイアウトするには専門のソフトを使うんですが、専用ソフトを使って紙面の割り付けをし、出力をすることをDTP(Desktop Publishing)と呼びます。

DTPオペレーターは、具体的には次のようなレイアウトを考えたり、編集者や校正者がみつけた誤植を修正します。

出典:DTPデザイン初心者講座

入稿(レイアウトに文字データを流し入れること)→出力→校正→入稿(誤植修正)→出力→校正→・・・というようにして、レイアウトを1回したら終わりというわけではなく、校正が3回程度されるまで、この作業が繰り返されます。

表紙

出版物をつくる場合は、表紙のデザインも大事になってきます。

語学系や教育系の場合、どんなにダサくても内容さえよければ商品がロングセラーになることがありますが、それでも表紙が目を引くものであったほうがいいのはたしか。

そこで、表紙のデザインを考えてくれるデザイナーさんが活躍します。

たとえば、次の『新日本プロレス英語入門』の場合。

出典:新日本プロレス

3種類の本の印象が全然違いますよね。

このようなデザインを考えてくれるのが専門のデザイナーさんで、出版社の中では、デザイナーさんにつくってもらった表紙の中でどれがいちばん売れる可能性があるのかを検討していきます。(最近はSNSで投票をしてもらうことで、情報拡散を狙うことがトレンドにもなっています。)

印刷・出版

レイアウトも終わって、表紙も完成すると、いよいよ印刷されて出版という流れになります。

編集・校正・校正&校閲に向いている人

ここからは完全に独断と偏見に基づいたわたし個人の意見です。

編集者に向いている人

編集者は、簡単にいうと、書籍や雑誌、Webコンテンツやアプリを作るための仕掛人×調整屋さん。

多くの人たちと連絡を取りあって、仕事の依頼をして、すべての業務がスケジュール通りに進むようにもろもろ調整していくのが編集者の仕事です。

もちろん「こんな本を作りたい」「こんな本が欲しい」というアイデアを形にするのも編集者の仕事だから、企画そのものを考えたり、本のデザインの方向性を考えたりもします。営業部の人たちといっしょに、本が売れるための販促戦略も練らなければいけません。

アイディアマンやコミュ力に自信がある人、マルチタスカーは編集者に向いているように思います。

逆に向いていないのは、ゼロイチを考えるの苦手な人。業界や世の中の流れに興味がない人も難しいかなと思います。

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▼参考:編集者ならみんな知ってる日本語ルールブック

ライターに向いている人

語学系・教育系のライターになりたい場合、厳しいことを言うようですが、いちばんの近道は有名人や権威者になることです。出版社も爆発的に売れる商品やロングセラーになる商品をつくりたいので、依頼先はだいたい有名講師やSNSインフルエンサー、一線で活躍している通訳・翻訳者、大学教授などになります。

一方で、知名度はないけれどどうしても出版がしたいという場合は、すぐに売り出せるレベルの原稿を仕上げて(←第一章だけでもいい)、いろいろな出版社に持ち込みましょう。出版社もネタ探しに必死なので、編集者の目に留まれば、あなたが有名人でない場合も出版してもらえる場合があります。

こんなこといったら元も子もないけど、いまどきブログやSNSもあるし、電子出版もできるから、どうしてもそこまで出版社にこだわる必要もない気がします。

そして、ここからは資質の話になってきますが、ライターに向いてる人は、読者に刺さる内容が書ける人。そして、仕事である以上、いい文章をある程度早く書けるひと。あとは、ジャンルの知識がちゃんとあるっていうのが大事かな。ライターさんが適当なこと書いちゃうと後々校正者や校閲者が大変になっちゃうので・・・。

向いていないのは、いい加減なことを書いてそれを編集者や校正者に指摘されて逆ギレする人。向いていないというか明らかに迷惑だし、そういう人はいずれ仕事も回って来なくなってしまうので、言葉を扱うことに誠実でない人はさっさと出版界隈から去ってください。お願いします。

校正者&校閲者に向いている人

2016年に石原さとみさんの主演ドラマ『校閲ガール』でようやく日の目を浴びたのがこの仕事。

校正や校閲は、文字や内容のあら捜しをする仕事です。「この日本語はわかりにくい」とか「この漢字間違えてる」とか「これは事実と違うことを言っている」とか「こんな内容なんの魅力もないから商品にならないんじゃこらぁぁぁあああ!!」とか。

いや、冗談のようで本当の話です笑。いろんな観点からダメ出しをしていくことで、商品が本来あるべき姿となり、多くのひとに満足してもらえるものが出来上がるんです。

それに、嘘の内容書かれてたら、その商品のことも出版社のことも信用できなくなっちゃいますよね。だから本当に大切な仕事。

校正・校閲に向いているのは、意地の悪いひと笑。そして、「正しい情報を届けたい」「矛盾は許せない」っていう正義感の強いひと。あとは、「よりよい内容にしたい」っていうこだわりをもてるひと。逆に、ライターさんや編集者に気を遣って遠慮しちゃうひとはあんまり向いてないんじゃないかなーって思います。直してもらうのが仕事だし。

▼参考:校正という仕事を学べる本

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▼参考:校閲ってこんな仕事っていうのがわかる本

まとめ

どうでしょうか?なんとなくそれぞれの仕事の特徴をつかんでもらえましたか?

求人だと「本が好きな人募集」「編集に興味があるひと歓迎」とか多いと思うんですけど、どの仕事をメインに募集しているのかきっちり確認するのが大事です。

ちなみに、以前、書籍校閲専門の校正会社社長で、『校閲ガール』のモデルになったと言われる柳下恭平さんのインタビュー記事を拝読したことがあるんですが、柳下さんが校閲の仕事について

「0から1以上を生み出すのが作家だとしたら、表現と商業性のバランスを取りながら、たとえば1を100にするのが編集者です。じゃあ、僕たちの仕事とは何か。それは100を100のまま届けることなんです。決して98にはしたくない。あわよくばその作品の価値が101くらいになったら最高だなあって思いますね」

とおっしゃっていて、たしかにそのとおりだなーと思った記憶があります。

就職エージェントに登録すると、業界の詳しい情報をバンバンおしえてもらえるから、活動を有利に進めたいひとはくれぐれも登録し逃さないようにしましょう。

いつの日かみなさんと働けるのをとっても楽しみにしています。

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